ぱんふ創りアレコレ-3

「ポケットフォルダー」とは?「タトウ」とは?

「ポケットフォルダー」と「タトウ」

今回は会社案内やパンフレット、カタログの「ポケットフォルダー」や「タトウ」について、
そのの定義や作り方について語ってみます。

その前に、
そもそも「ポケットフォルダー」って何なんだ?
まして「タトウ」となるや、益々意味不明?
という方々もいらっしゃると思いますので、
その定義についてご説明しておきます。

その前提として、
ポケットフォルダーとタトウは、
同様のものとして扱われることがあれば、
似て非なるものとして扱われることもあります。
以下でそのニュアンスを汲み取っていただければと思います。

ポケットフォルダーの特徴とその作り方

まずポケットフォルダーから。
これは割と最近よく目につくようになりました。
わかりやすく身近な例で言うと、
二つ折りされたA4より少し大きめで、比較的厚手の用紙が使用され、
それを開くと収納可能なフォルダー状のポケット加工がなされたもの。

その加工されたポケットにはパンフレット、リーフレットや小冊子、
また個別に手作りしたA4書類等を挟み込み、
複数のパンフレットや資料を収納し、
それを必要とする顧客やユーザーに、
一括でひとまとめにして手渡すことができます。
まさに、PCで多数の書類を1個のフォルダーに集約管理するそれと、
全く同様の効果を発揮します。

さらに、
普通に8ページ・12ページ・20ページ….と、
中綴じしたページ物の最終ページにポケット加工を施し、
パンフレットや会社案内とポケットフォルダーの一体化による、
言わば大変機能性の高い媒体となります。

因みに、
フォルダーのサイズは、
A4規格サイズより大きめにします。
A4書類がはみ出ないように収納するためです。
ここはとても重要。

生い茂る緑の木の葉を、自然な形状でポケット化した。ケミカル製造業の会社案内だが、中に収納する工場概要リーフレットも、自然の中で調和する。

タトウの特徴とその作り方

次にタトウです。
タトウ?ますます意味不明!と仰せの方々も多いとお察しします。

その語源から少々ウンチクをひねってみます。

往時の清少納言著の枕草子にまで遡るもので。
「えっ、そんな昔に何の関係?」
原作の一節で出てくる単語の、「畳紙」もしくは「帖紙」がルーツと言われています。
読みは「たたみがみ」、「たとうがみ」、「たとうし」で、
結髪の道具や衣類などを包むための紙であったそうです。
広い厚手の和紙に、開いた状態で物を入れ、
それをきれいに折ってたたみしまっておく、というもの。
それが現代に至って、
フォルダースタイルを「タトウ」と言われるようになった所以です。
厚紙を開閉加工し、そこに書類を収納するスタイルだったり、
ポケットフォルダーと全く同様に扱われることもあったりでしょうか。

と言うと、ポケットフォルダーと違いはないじゃ無い?
と仰せの向きもいらっしゃると思いますが、
全くその通りとも言えますし、
やはりポケットフォルダーとは若干ニュアンスは変えておいた方がよろしいかと。
本文中の説明からもお察しください。

何か日本古来の伝統が、
現代のフォルダーの名称に活かされているなんざァ、
なかなか粋なものですね。

タトウの会社案内
イヨッ!元祖タトウ、という感じです。株式会社日山様、と言えば創業100余年の伝統の老舗として、高級牛肉の割烹や食肉販売で有名ですよね。この風呂敷状にたたみ折られた和紙状のタトウの中に、会社概要・企業理念・事業内容等5種類のリーフレットが収められています。

メリット

ではこれらのポケットフォルダー、
乃至はタトウとすることのメリットをご紹介します。

これは大きく2点です。

1点目は前述した、
複数のパンフレットや書類をひとまとめにして、
ポケット部に収納できることです。
こうして顧客やユーザーに渡せば、
相手先も一括管理でき、他とテレコにならずに、
バラけて見失うことも防げます。

さらにダブルポケットにすれば、
左ポケットにオフィシャルな会社案内、製品パンフレットを挿入し、
右ポケットには個別の提案書や見積書を挿入しておく、
といった具合に左右でその役割を変えておくのも、
上手な使い方でしょう。

これにより、
一体化された厚みや、
大きめに作られたサイズが存在感を示します。
また表紙には高品質なデザインを施し、社名、ロゴを配置しておけば、
それだけで強いオフィシャル感を醸します。

大きなメリットですね。

Wポケットのポケットフォルダー
ちょっと分かりづらいと思いますが、右下の青い箇所が右サイドのポケット。またリーフレットで隠れていますが、左下の青い箇所が左サイドのポケットです。このように2面のポケット加工をWポケットフォルダーと言います。

2点目は、
本体が複数ページある会社案内やパンフレットの最終ページに、
ポケット加工を施すタイプです。

このケースでは、普遍情報と変動情報を仕分けし、
普遍情報は冊子本体でページ構成し、
変動情報をリーフレット化します。

実はこれでメリットが最大化します。
どのようなメリットか?
コストメリットです。

例えばポケットフォルダー加工をした会社案内の場合です。

事業を巡るビジネスモデルや企業理念・ブランディング、
またプロダクトやサービスに関する、
言わば企業の根源的情報、
また当面変わることのない情報は、
会社案内やパンフレット本体に掲載します。

一方、
会社情報、沿革、組織図、主要取引先等、
比較的短期で変動する可能性のある情報は、
本体掲載から外し、
A4サイズ1枚もののリーフレットに移設・集約します。

しかも1項目1枚、両面でも可。

こうすれば、
「役員が変わった」、と言えば会社情報1枚のみの差し替え、
「組織改編があった」、と言えば組織図リーフレット1枚差し替え…..
といった塩梅です。
都度本丸の解体工事は不要なんです。

いかがでしょう?

全ての情報を本体に含めると、
わずか1箇所であっても、情報変更がある度に、
会社案内本丸全てを解体し、全体の建替え工事(差し替え印刷)をしなければならない。
これではコストはエクスペンシブでしょう。

その意味からも、
ポケットフォルダーの本体とリーフレットの組合せが、
コストダウンに直結するのは、
自明の理ですよね。

ただし、
そのメリットは中長期的にです。
なぜならば、本体にはポケット加工が発生しますので、
この分はイニシャルコストのアップに作用します。

つまり作る最初に少々コスト高になっても、
中長期的に低コスト運用のできる、また無駄も排除できる、
「本体+ポケットフォルダー+リーフレット」であろうと。

今回はここまでです。

次回はポケットフォルダー・タトウの作成事例集を一挙掲載します。
ウチの制作した作品で。
次回は見応えありますよ。