ぱんふ創りアレコレ-2

デジタル環境でもパンフレットが減らない訳

2018.07.07

デジタル環境でもパンフレットが減らない訳

ビジネスシーンではアナログも大切

今回で2回目のぱんふエッセイです。

前回はカタログとパンフレットの違いについて深く語りましたが、
なかなか公式サイトでは言及しない、或いはされないテーマとして、
今回もあまり紙媒体をビジネスとする我が事業で、
語りたくない、触れたくない(こちらが本筋と思います)
インサイトの話に踏み込みたいと思います。

さてご存知の通り、
タブレットやスマホの各種デバイスの普及、
さらには高速インターネットやクラウド環境の普及などから、
もはや紙のアナログ文化は凋落の一途を辿るのではないかと、
ささやかれて久しくなりました。
確かに出版系、新聞系ではかなり早い速度で、
落ち込みが進んでおり、
製紙会社の需要もここ数年下落傾向にあるようです。
我が国でも紙の文化が急速に廃れる流れを止めることはできないようです。

その中にあって、
マーケットはそんなに大きくないものの、
広報媒体、いわゆる会社案内やパンフレットという紙媒体の凹みは、
限定的であると実感しています。

それはなぜかと、様々な角度から考察を加えてみましたが、
おそらくこう言うことではないか?
という一定の結論には至りました。

その前に前回に言及した、
企業・役所で使用するパンフレット等の広報冊子類を再度列挙しますが、
業種、ジャンル、目的、用途などによって、
こんなにもたくさんの広報冊子類が存在します。

採用パンフレット・入社案内、
企業情報パンフレット(会社案内)、製品パンフレット、サービスガイド、
大学・学園・専門学校の生徒募集パンフレット、大学院・学部案内、
事業パンフレット、官公庁の広報パンフレット、DMパンフレット、
CSRやIR系パンフレット、
自動車パンフレット、映画パンフレット、
百貨店やショッピングモールのフロアガイド、
病院・クリニック、ヘアサロンのリーフレット、等々。

これらをご覧になって、
どうでしょう?
昨今急激に減少していること、
また今後急激に減っていきそうだとは、あまり感じなくないですか?

例えば採用パンフレット。
超求人難の昨今、
新卒合同説明会・転職フェア・インターン等のイベントでは、
学生や求職者に手渡し、その場でしっかり見てもらい、
自宅に帰って本人のみならず家族、同級生にもその場で見せることのできる、
いわゆる即時性、共有性、ポータビリティです。
エントリー行為や広く情報収集できる採用Webサイトとは、
その役割が異なり、使い分けが明確にできています。

航空会社の採用パンフレット
リージョナル路線 中堅航空会社の採用パンフレット

また製品パンフレット・サービスパンフレット。
特に営業活動向けにコンテンツをチューニングした製品・サービスパンフレット、
これに個別提案やプレゼン資料としてPPT、
また企業の信頼性を担保する広報媒体として会社案内、
これら3点の組合せは、
もはや営業パーソンの必携ツールとして欠かせません。
つまりWebは集客手段、
それを請けての営業活動はパンフレット・会社案内・PPT。
といった具合に、ここでも明確な棲み分けができているのです。
特にBtoBの取引シーンにおいては、
稟申という厳しい社内認証が立ちはだかっています。
上申していく過程には、
手許にオフィシャルなアナログ媒体が、
必ず存在しなければならないことを考えれば、
推して知るべしでしょう。

宅配ピザチェーン会社案内
知名度の高い宅配ピザチェーンの会社案内。このようなBtoCの代表格のような企業も会社案内は大変重要。FCチェーンやオーナー向け、採用向けとして使用される。

ブランド形成に紙媒体が一役

タブレット端末が普及し始めた頃、
営業シーンにおいて、紙媒体はタブレットにとってかわられる、
といって弊社でも戦々恐々としたものです。
その前提としてデバイス共有性が求められますが、
これもあまり進まず、
依然として各種の紙媒体・広報冊子類の、
大きな減少には至っていない感触です。

確かに20〜30年ほど前に存在した、
重厚長大で高額な会社案内というものは、
なりを潜めましたが、
逆にコンパクトで機能性が高く、
企業ブランドづくりにシフトさせ、
営業・採用・広報のユーティリティな会社案内は、
むしろきちんとその存在感を示しているようです。

長くなりましたので、ここでまとめに入ります。

その根底にあるものは、
やはり我々日本人の性質にあるのでは?とも思っています。
合理主義が進みすぎることを、
意外と我々日本人は制御したいと思っています。
おもてなし、伝統、手間暇や、心のこもったサービスを好みます。
むしろ大事にしたいと潜在意識の中にあります。

また我々日本人はブランドというものを非常に大事にしていると思います。
ただしそれを表現することは総じて下手です。
その中にあって、
独自性が高く競争力のある研ぎ澄まされたコンテンツや魅力的なデザイン。
製品・サービスの付加価値に見あった、風合いの高い用紙、
思わず撫でてしまいたくなる特殊な印刷、
ユニークさや機能性を持たせた特殊な加工。

実はどれも企業や製品・サービスのブランドイメージを醸成するのに、
欠くことのできない要素ばかり。

下手なだけに、
紙媒体・広報冊子類でブランディングを確立することが有効な手段であることを、
我々はポテンシャルでわかっている気がします。

なかなかデジタルやネット環境だけでは、
我々日本人の心を満たすことはできないのかも知れません。
今回は少しだけ文化人類学的な考察をしてみました。