採用ツール-4

採用パンフレットの掲載すべき内容《課題状況に応じた内容設定》

公開日:2022.01.29
更新日:

年次経営計画が示され、採用計画が下命される。
それを請け人事・採用部門は採用活動の実務作業に入ります。
その実務作業となる採用メディアづくり、
そこで中核となるのが『採用パンフレット』制作です。

ところが初めて担当になる、初めて作る、
また新入社員が人事上席から、「君らでやってみろ!」という無茶ぶりに、
要領も得ず、失敗できないプレッシャーは最高潮。
さらに制作経験者でも過去作ったものが不評だった、
既存業者がマンネリしているので業者を乗り換えたいが…等々、
不安や不満は募るばかりです。

そんな人事・採用担当者の方々はぜひご一読ください。
採用パンフレット実績豊富な『パンフレット専科』が、
掲載すべき内容・構成を一貫解説します。

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1. 制作担当者になったら最初にやること

01. 一人ではなくPTで臨もう!

人事部採用グループ、総務部人事採用課…等、企業によって担当部署名は様々ですが、
採用パンフレット制作の相談オファーがあって、弊社が訪問した際、
担当は一人、ということは特に珍しいことではありません。
それが上場している立派な企業であっても同様で、
せめて2〜3名程度でも効率よく、最終品質にも影響するため、
複数の方々でプロジェクトチーム(以下PT)を組みませんか?とアドバイスしています。
企業によって事情は異なるでしょうが、やはり3人寄れば文殊の知恵です。

02. 制作した前任者に聞いてみる

採用パンフレットなので、同一部署、
つまり前回制作した人事・採用部門の前任者に色々と話を聞いてみましょう。
発注した制作業者のこと、仕様やスペックのこと、制作費のこと、制作の進め方、
制作タイミング、さらに制作途上のエピソードなど、
特に初めて担当になる場合は大変参考になるでしょう。

03. すぐ業者を呼ぶのではない!

かなり偉そうに言ってますが、
これもよくあることで、とにかくまずもって業者にあたることを優先していることです。
話を聞いてみると、まだ何も決まっていない、ノープラン…という実態。
まあ、もちろんそのような状況でも、
その場で可能な限り弊社にて事前準備や進め方をアドバイスすることもあります。
もちろん候補になる業者選びをして、実際に提案、見積をさせることには間違いありませんが、
事前準備無しに一足飛び、ワープしてしまっています。
何をかいわんや…これではとても効果的な採用パンフレットになりようがありません。

ただここから考えを入れ替えて、
次項からの事前準備に取り組んでください。
全ての項目を一つひとつ潰していく、
というより自社に合った要件をピックアップして活用する方が現実的でしょう。

2. 採用活動スケジュール別の作成手順

一旦ここでは、採用活動スケジュールの主体をどこに置くのか?
その採用活動スケジュール別採用パンフレットの準備・手順を解説します。

01. 政府指針採用タイプ

昨今ではこの政府指針にとらわれず、
企業独自のスケジュールで採用活動を行うことが多くなりましたが、
3月広報活動解禁が採用パンフレットを使用するタイミングです。
これに合わせて以下のスケジュール感で採用パンフレットを準備します。

政府指針採用タイプ

02. 通年採用タイプ

外資系企業だけでなく、大企業・中堅企業においても多くなってきました。
いわずもがな、通年ですので、年間を通して、
また自社の採用戦略に則った裁量スケジュールで活動を実施するものですが、
特に政府指針の3月広報活動開始前に仕掛け、内定までいってしまいます。
採用パンフレットの制作スケジュールは使用するタイミングの4〜5ヶ月前となります。
以下、11月に使用すると仮定してのタイムテーブルです。

通年採用タイプ

03. インターン採用タイプ

学生との接触機会であり、面接まで行うことから事実上、採用活動化しているのが実態です。
政府指針活動の企業でも8月と1月の休みがそのタイミングですが、
夏休みの8月実施で採用パンフレットを準備するとなると、以下のスケジュールになります。

インターン採用タイプ

04. 高卒採用タイプ

この高卒採用に至っては、大卒やキャリア採用と異なり、
企業の自由度は一切ありません。
厚労省の「公正な採用選考の基本」で、
企業側の公正な採用選考を厳格に義務付けられているからです。
企業はハローワークを通じ、学校へ求人申込みを行い、7月から学校訪問が解禁されます。
つまりこの学校訪問が採用パンフレットを使用するタイミングです。

高卒採用タイプ

高卒採用パンフレット・採用案内の作り方は以下のバナーを参照ください。⬇️

3. 過去の採用実績に基づく課題を明確にしておく

昨年や過去の採用実績から課題点を明確にしておきます。
もちろん毎年予定通り、計画通り採用できている場合はともかく、
予定数を下回っている場合はその問題状況を把握しておきます。
下記課題点の性質によって、採用パンフレットのコンテンツは大きく変わるため、
この状況は人事・採用担当者、
また採用パンフレットPTとして明確に把握しておきましょう。

01. 母集団の形成が脆弱

そもそも母集団が確保できていない。
この原因として採用ナビ頼みの募集広報が原因していることが多いようです。
もし自覚症状があるようでしたら、見直す機会です。

02. 母集団の中に目指す人材が少ない

母集団の数的確保はできたが、目指す人材が少ない。
これは採用パンフレットのコンテンツに、ミスマッチが生じている可能性があります。

03. 内定辞退者が多く発生

内定後の辞退者が続出している傾向。結果的に計画採用数未達となってしまいます。
これも企業説明会時点で使用する、この採用パンフレットの効用は見過ごせない、と言えます。
それは就活生の企業理解が伴っていない、学生が欲しい情報が掲載されていないなど、
採用パンフレットに掲載すべきネタの重要度を認識すべきでしょう。

04. 早期退職者が連続発生〜『エンゲージメント』の欠如

内定者は計画通りだったが、入社後の早期退職者が連続発生している。
この課題は採用活動時点と共に、入社後の課題として大きくのしかかるものです。
つまり雇用企業と新入社員間での「エンゲージメント」の欠如が原因の一部となって、
社員の企業帰属意識や愛社心不足から生じるものです。

この件も前項と似た原因が考えられ、
やはり採用パンフレットのコンテンツが原因になっている場合も多く見られます。

以上01〜04まで採用パンフレット制作業者へのオリエン要件であり、
後述するRFP(提案依頼書)用にとりまとめておくと良いでしょう。
またこれら母集団形成、内定辞退、ミスマッチなどの課題について、
弊社姉妹サイトの「ホームページ制作専科」と「弊社コーポレートサイト」の2サイトにて、
採用課題の考察や、統計・データを示し本質に迫る分析をしています。
採用パンフレットで掲載するネタのヒントが潜んでいます。目を通しておく価値ありです。

●「01採用活動におけるブランド導入事情」「02採用ブランディングのメリットは絶大」をご覧ください。⬇️

●「01現在の採用シーンの実態と採用サイトの存在」をご覧ください。⬇️

4. 既存の採用パンフレットの課題を明確に

昨期制作して使用した採用パンフレットの課題を明確にしておきましょう。
もちろん企業として初めて作る場合は不要です。
その課題のアウトプットのあり方は様々ですが、一応以下の要件でまとめておきましょう。

  • 昨期までの採用活動での効果
  • 今期採用者の評判
  • デザイン性やブランドイメージの適正
  • 情報構成、コピーやコンテンツの評価
  • 採用人材像のターゲティング
  • 社内の評判

5. 他社の採用パンフレットを手に入れる

01. 競合他社のサンプリング

これは大変参考になります。
特に同業他社のものは客観的でニュートラルな側面から、へェ〜、なるほど…
となることがあり、今回プロジェクトのヒントになる可能性があります。
現物を入手できれば最もいいですが、
当該社のコーポレートサイトや採用サイトからダウンロードすることも選択肢にしましょう。
PTで手分けして収集できると好都合です。

02. Web検索で収集

たぶんこれが一番多数入手できますが、現物ではないので、あくまでもイメージのみ。
「採用パンフレット 制作実績」「採用案内 作品」などのキーワードでググってみると、
結構たくさん出てき、採用パンフレット制作会社の作品を多数閲覧できます。

この機会を利用して、気に入ったサンプルを制作した制作会社をレコードしておき、
候補業者にするのもありでしょう。

03. 作品年鑑でサンプリング

これも現物やPDFでは入手はできませんが、
一定レベル以上の制作会社の作品を見ることができます。
ただ昨今では入手することはなかなか難しいかもしれません。

6. 掲載するテーマをある程度決めておく

ここはこの時点で厳密に決めておく必要はありませんが、
少なくとも現状課題となっているボトルネックの解決になりそうな要件を抽出し、
採用パンフレットのテーマにすることは必須です。
以下大まかなテーマを列挙してみます。

テーマ 要 点
社長のメッセージ 代表者の就活生・求職者へ向けたメッセージ。公式の会社案内やコーポレートサイトとは異なり、自社の特徴やPRに徹することが多い。
人事部長のメッセージ 採用総責任者の就活生・求職者へ向けたメッセージ。欲しい人材像やキャリアアップ、自社での働きがいを訴えかける。
人事主幹担当者のメッセージ エントリー受付や面接を担当する社員からのメッセージ。就活生・求職者目線で共感できる訴えかけ。
事業内容と将来ビジョン 新卒者アンケートの統計上、入社希望の企業選定要因の上位に来るのがこの「将来ビジョン」。弊社では採用パンフレットに企業の将来性、業界の発展性に関する情報掲載を提唱。
ビジネスモデルや事業の強み これも同様、企業の大小に関わらず、学生や求職者は業界や競合の中で、相対的に強みを発揮できる事業であるかは強い関心事。
経営理念 就活でなければ見過ごしてしまいそうな「経営理念」だが、意識の高い学生ほど関心度は高い。
ミッション・ビジョン 経営理念を具体化し就活生向けに咀嚼する手法が効果的。
企業ヒストリー 歴史ある企業、創業者の起業エピソードなど企業が辿ってきた変遷を、ストーリー仕立てで紹介。意外と学生は強い共感を持つ。ただし単なるファクトを連ねた沿革ではむしろ見過ごされる。
企業ブランド 企業のブランドイメージをはじめ、企業ブランディング、製品やサービスのブランディングに言及。
社員インタビュー 定番メニューの一つ。やはり先輩社員の発言や声は必須。
社員対談 同僚同士、上長ー部下、社長ー社員など様々な切り口で構成すると学生は興味を高める。
各部門の仕事内容紹介 部門ごとに分け、仕事の紹介、一日の仕事の流れなど、部門の1年生社員がナビして紹介すると面白い。
拠点紹介と社員紹介 支社、工場、研究所、営業所等、出先機関の訪問紹介。
リモート環境の整備 特に昨今、企業の取組み方に学生の関心が高い要件。企業の安全対策、リモート環境での職務推進についての企業の取組み。
職場・労働環境 職場内での感染症拡大防止対策の企業全般の取組み。また働き方改革、高度プロフェッショナル制度などを紹介。
福利厚生制度 就活生・求職者の関心事上位にくる要件。特にリモートを巡る環境整備・補助、ワークライフバランス、レクリエーション施設、子育て支援等、また勤務シフト制、フレックス制度の特徴を紹介。採用パンフレットには紙面を割き、必須のコンテンツとしたい。
キャリアプラン これも関心事の上位要件。入社後のキャリアシミュレーションとして具体的例を示し、グラフィックやビジュアル化で表現すると効果的。
人材開発制度 社内の各種資格・能力アッププラン、各種研修制度、留学制度などを紹介、その実績や体験談を社員に語ってもらう。
保護者向けメッセージ これは意外に取り上げられない、或いは省かれてしまう要件。成人とは言え、我が子が就職希望する企業の保護者へのメッセージは家族のコンセンサスになる。さらに高卒対象であれば尚更。

これら全てを盛り込むのではなく、
特に自社として就活生・求職者に強く訴えたい要件をピックアップされると良いでしょう。
実際に候補業者に投げてみて、どういう提案が出るか?検討材料にしましょう。

ただ少なくとも採用パンフレットのコンテンツが、
“明るい職場のイメージ”、“楽しげな社員が連続する写真”、“社員インタビュー”、
だけで終わってしまうのでは、企業としてのポリシーはゼロだし、
それこそ内定辞退、ミスマッチ退職の大きな原因となりますので、PTでよくご検討を。

7. 情報構成と想定するページ数を決める

01. 掲載すべき、したいテーマをピックアップ

前記から、ピックアップした、或いはその他の要件で、
採用パンフレットに掲載すべきテーマを絞ります。
まずはPTで議論し、一定程度上席の承諾を取りつけたいものです。

02. 簡易的に台割りを書いてみよう

次にPTにて紙面構成でテーマを割り付けてみましょう。
A4サイズを基本に手書きや、Word・PPTなどでシミュレーションしてみましょう。
これを“台割り”といいます。
この要件もこの時点で厳密な“台割り”までは不要とした方が良さそうです。
ただ企業として、採用パンフレット作成担当者としての意思を示す意味で、
おおまかな想定を持っておくべきです。
テーマの順序やスペースの大きさなど、まずは色々試しながらでやってみましょう。

台割りサンプル
あくまでも台割りをわかりやすくイメージさせるための雛形であり、ここまで具体的ではなくてもいい。むしろ必要以上に細かく作ると、業者の創造性を縛ってしまい、付加価値ある発想を奪ってしまう可能性がある。
ここで示している上図のケースは、表紙を含め7ページだが、仕上りはこれにウラ表紙を加え8ページ構成となる。

03. 簡易台割りができるとページ数が決まる

おおまかこの辺か、と思えるところで割り振りできたら、
ページを数えてみましょう。
A4の枚数を数え、それに表紙・ウラ表紙を足すと、下表の通り全体のページ数になります。
一旦、PT皆さんの想いは全体で何ページか?ここでわかります。

ページ数のシミュレーション
前述の通り、A4両面で台割りシミュレーションしたページ数に、表紙・ウラ表紙の2ページを足すと総ページとなる。

執筆・編集|メーソン

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