採用ツール-4

採用パンフレット【掲載すべき内容と業者選びのコツ】

MENU

年次経営計画が示され、採用計画が下命される。
それを請け人事・採用部門は採用活動の実務作業に入ります。
その実務作業となる採用メディアづくり、
そこで中核となるのが『採用パンフレット』制作です。

ところが初めて担当になる、初めて作る、
また新入社員が人事上席から、「君らでやってみろ!」という無茶ぶりに、
要領も得ず、失敗できないプレッシャーは最高潮。
さらに制作経験者でも過去作ったものが不評だった、
既存業者がマンネリしているので業者を乗り換えたいが…等々、
不安や不満は募るばかりです。

そんな人事・採用担当者の方々はぜひご一読ください。
採用パンフレット実績豊富な『パンフレット専科』が、
掲載すべき内容・構成から業者選定までを一貫解説します。

1. 当BLOGの活かし方

●項目が多いため、上記「MENU」から選ぶナナメ読みもおススメ。
記事一通り目を通していただくと、実務レベルで大変参考になります。
ただMENUをざっと見て、自社の採用パンフレットづくりに役に立つ、
と思われる項目だけピックアップ見もおススメです。

●低価格・短納期・簡易制作の要件で執筆されていません。
安い業者を探している、1ヶ月で作ってくれる業者を探している、
今回とりあえず簡易的に作りたい、
これらをご希望の場合、お役に立てる記事ではありませんので、
予めご了承ください。

2. 制作担当者になったら最初にやること

01. 一人ではなくPTで臨もう!

人事部採用グループ、総務部人事採用課…等、企業によって担当部署名は様々ですが、
採用パンフレット制作の相談オファーがあって、弊社が訪問した際、
担当は一人、ということは特に珍しいことではありません。
それが上場している立派な企業であっても同様で、
せめて2〜3名程度でも効率よく、最終品質にも影響するため、
複数の方々でプロジェクトチーム(以下PT)を組みませんか?とアドバイスしています。
企業によって事情は異なるでしょうが、やはり3人寄れば文殊の知恵です。

02. 制作した前任者に聞いてみる

採用パンフレットなので、同一部署、
つまり前回制作した人事・採用部門の前任者に色々と話を聞いてみましょう。
発注した制作業者のこと、仕様やスペックのこと、制作費のこと、制作の進め方、
制作タイミング、さらに制作途上のエピソードなど、
特に初めて担当になる場合は大変参考になるでしょう。

03. すぐ業者を呼ぶのではない!

かなり偉そうに言ってますが、
これもよくあることで、とにかくまずもって業者にあたることを優先していることです。
話を聞いてみると、まだ何も決まっていない、ノープラン…という実態。
まあ、もちろんそのような状況でも、
その場で可能な限り弊社にて事前準備や進め方をアドバイスすることもあります。
もちろん候補になる業者選びをして、実際に提案、見積をさせることには間違いありませんが、
事前準備無しに一足飛び、ワープしてしまっています。
何をかいわんや…これではとても効果的な採用パンフレットになりようがありません。

ただここから考えを入れ替えて、
次項からの事前準備に取り組んでください。
全ての項目を一つひとつ潰していく、
というより自社に合った要件をピックアップして活用する方が現実的でしょう。

3. 採用活動スケジュール別の作成手順

一旦ここでは、採用活動スケジュールの主体をどこに置くのか?
その採用活動スケジュール別採用パンフレットの準備・手順を解説します。

01. 政府指針採用タイプ

昨今ではこの政府指針にとらわれず、
企業独自のスケジュールで採用活動を行うことが多くなりましたが、
3月広報活動解禁が採用パンフレットを使用するタイミングです。
これに合わせて以下のスケジュール感で採用パンフレットを準備します。

政府指針採用タイプ

02. 通年採用タイプ

外資系企業だけでなく、大企業・中堅企業においても多くなってきました。
いわずもがな、通年ですので、年間を通して、
また自社の採用戦略に則った裁量スケジュールで活動を実施するものですが、
特に政府指針の3月広報活動開始前に仕掛け、内定までいってしまいます。
採用パンフレットの制作スケジュールは使用するタイミングの4〜5ヶ月前となります。
以下、11月に使用すると仮定してのタイムテーブルです。

通年採用タイプ

03. インターン採用タイプ

学生との接触機会であり、面接まで行うことから事実上、採用活動化しているのが実態です。
政府指針活動の企業でも8月と1月の休みがそのタイミングですが、
夏休みの8月実施で採用パンフレットを準備するとなると、以下のスケジュールになります。

インターン採用タイプ

04. 高卒採用タイプ

この高卒採用に至っては、大卒やキャリア採用と異なり、
企業の自由度は一切ありません。
厚労省の「公正な採用選考の基本」で、
企業側の公正な採用選考を厳格に義務付けられているからです。
企業はハローワークを通じ、学校へ求人申込みを行い、7月から学校訪問が解禁されます。
つまりこの学校訪問が採用パンフレットを使用するタイミングです。

高卒採用タイプ

高卒採用パンフレット・採用案内の作り方は以下のバナーを参照ください。⬇️

4. 過去の採用実績に基づく課題を明確にしておく

昨年や過去の採用実績から課題点を明確にしておきます。
もちろん毎年予定通り、計画通り採用できている場合はともかく、
予定数を下回っている場合はその問題状況を把握しておきます。
下記課題点の性質によって、採用パンフレットのコンテンツは大きく変わるため、
この状況は人事・採用担当者、
また採用パンフレットPTとして明確に把握しておきましょう。

01. 母集団の形成が脆弱

そもそも母集団が確保できていない。
この原因として採用ナビ頼みの募集広報が原因していることが多いようです。
もし自覚症状があるようでしたら、見直す機会です。

02. 母集団の中に目指す人材が少ない

母集団の数的確保はできたが、目指す人材が少ない。
これは採用パンフレットのコンテンツに、ミスマッチが生じている可能性があります。

03. 内定辞退者が多く発生

内定後の辞退者が続出している傾向。結果的に計画採用数未達となってしまいます。
これも企業説明会時点で使用する、この採用パンフレットの効用は見過ごせない、と言えます。
それは就活生の企業理解が伴っていない、学生が欲しい情報が掲載されていないなど、
採用パンフレットに掲載すべきネタの重要度を認識すべきでしょう。

04. 早期退職者が連続発生〜『エンゲージメント』の欠如

内定者は計画通りだったが、入社後の早期退職者が連続発生している。
この課題は採用活動時点と共に、入社後の課題として大きくのしかかるものです。
つまり雇用企業と新入社員間での「エンゲージメント」の欠如が原因の一部となって、
社員の企業帰属意識や愛社心不足から生じるものです。

この件も前項と似た原因が考えられ、
やはり採用パンフレットのコンテンツが原因になっている場合も多く見られます。

以上01〜04まで採用パンフレット制作業者へのオリエン要件であり、
後述するRFP(提案依頼書)用にとりまとめておくと良いでしょう。
またこれら母集団形成、内定辞退、ミスマッチなどの課題について、
弊社姉妹サイトの「ホームページ制作専科」と「弊社コーポレートサイト」の2サイトにて、
採用課題の考察や、統計・データを示し本質に迫る分析をしています。
採用パンフレットで掲載するネタのヒントが潜んでいます。目を通しておく価値ありです。

●「01採用活動におけるブランド導入事情」「02採用ブランディングのメリットは絶大」をご覧ください。⬇️

●「01現在の採用シーンの実態と採用サイトの存在」をご覧ください。⬇️

5. 既存の採用パンフレットの課題を明確に

昨期制作して使用した採用パンフレットの課題を明確にしておきましょう。
もちろん企業として初めて作る場合は不要です。
その課題のアウトプットのあり方は様々ですが、一応以下の要件でまとめておきましょう。

  • 昨期までの採用活動での効果
  • 今期採用者の評判
  • デザイン性やブランドイメージの適正
  • 情報構成、コピーやコンテンツの評価
  • 採用人材像のターゲティング
  • 社内の評判

6. 他社の採用パンフレットを手に入れる

01. 競合他社のサンプリング

これは大変参考になります。
特に同業他社のものは客観的でニュートラルな側面から、へェ〜、なるほど…
となることがあり、今回プロジェクトのヒントになる可能性があります。
現物を入手できれば最もいいですが、
当該社のコーポレートサイトや採用サイトからダウンロードすることも選択肢にしましょう。
PTで手分けして収集できると好都合です。

02. Web検索で収集

たぶんこれが一番多数入手できますが、現物ではないので、あくまでもイメージのみ。
「採用パンフレット 制作実績」「採用案内 作品」などのキーワードでググってみると、
結構たくさん出てき、採用パンフレット制作会社の作品を多数閲覧できます。

この機会を利用して、気に入ったサンプルを制作した制作会社をレコードしておき、
候補業者にするのもありでしょう。

03. 作品年鑑でサンプリング

これも現物やPDFでは入手はできませんが、
一定レベル以上の制作会社の作品を見ることができます。
ただ昨今では入手することはなかなか難しいかもしれません。

7. 掲載するテーマをある程度決めておく

ここはこの時点で厳密に決めておく必要はありませんが、
少なくとも現状課題となっているボトルネックの解決になりそうな要件を抽出し、
採用パンフレットのテーマにすることは必須です。
以下大まかなテーマを列挙してみます。

テーマ 要 点
社長のメッセージ 代表者の就活生・求職者へ向けたメッセージ。公式の会社案内やコーポレートサイトとは異なり、自社の特徴やPRに徹することが多い。
人事部長のメッセージ 採用総責任者の就活生・求職者へ向けたメッセージ。欲しい人材像やキャリアアップ、自社での働きがいを訴えかける。
人事主幹担当者のメッセージ エントリー受付や面接を担当する社員からのメッセージ。就活生・求職者目線で共感できる訴えかけ。
事業内容と将来ビジョン 新卒者アンケートの統計上、入社希望の企業選定要因の上位に来るのがこの「将来ビジョン」。弊社では採用パンフレットに企業の将来性、業界の発展性に関する情報掲載を提唱。
ビジネスモデルや事業の強み これも同様、企業の大小に関わらず、学生や求職者は業界や競合の中で、相対的に強みを発揮できる事業であるかは強い関心事。
経営理念 就活でなければ見過ごしてしまいそうな「経営理念」だが、意識の高い学生ほど関心度は高い。
ミッション・ビジョン 経営理念を具体化し就活生向けに咀嚼する手法が効果的。
企業ヒストリー 歴史ある企業、創業者の起業エピソードなど企業が辿ってきた変遷を、ストーリー仕立てで紹介。意外と学生は強い共感を持つ。ただし単なるファクトを連ねた沿革ではむしろ見過ごされる。
企業ブランド 企業のブランドイメージをはじめ、企業ブランディング、製品やサービスのブランディングに言及。
社員インタビュー 定番メニューの一つ。やはり先輩社員の発言や声は必須。
社員対談 同僚同士、上長ー部下、社長ー社員など様々な切り口で構成すると学生は興味を高める。
各部門の仕事内容紹介 部門ごとに分け、仕事の紹介、一日の仕事の流れなど、部門の1年生社員がナビして紹介すると面白い。
拠点紹介と社員紹介 支社、工場、研究所、営業所等、出先機関の訪問紹介。
リモート環境の整備 特に昨今、企業の取組み方に学生の関心が高い要件。企業の安全対策、リモート環境での職務推進についての企業の取組み。
職場・労働環境 職場内での感染症拡大防止対策の企業全般の取組み。また働き方改革、高度プロフェッショナル制度などを紹介。
福利厚生制度 就活生・求職者の関心事上位にくる要件。特にリモートを巡る環境整備・補助、ワークライフバランス、レクリエーション施設、子育て支援等、また勤務シフト制、フレックス制度の特徴を紹介。採用パンフレットには紙面を割き、必須のコンテンツとしたい。
キャリアプラン これも関心事の上位要件。入社後のキャリアシミュレーションとして具体的例を示し、グラフィックやビジュアル化で表現すると効果的。
人材開発制度 社内の各種資格・能力アッププラン、各種研修制度、留学制度などを紹介、その実績や体験談を社員に語ってもらう。
保護者向けメッセージ これは意外に取り上げられない、或いは省かれてしまう要件。成人とは言え、我が子が就職希望する企業の保護者へのメッセージは家族のコンセンサスになる。さらに高卒対象であれば尚更。

これら全てを盛り込むのではなく、
特に自社として就活生・求職者に強く訴えたい要件をピックアップされると良いでしょう。
実際に候補業者に投げてみて、どういう提案が出るか?検討材料にしましょう。

ただ少なくとも採用パンフレットのコンテンツが、
“明るい職場のイメージ”、“楽しげな社員が連続する写真”、“社員インタビュー”、
だけで終わってしまうのでは、企業としてのポリシーはゼロだし、
それこそ内定辞退、ミスマッチ退職の大きな原因となりますので、PTでよくご検討を。

8. 情報構成と想定するページ数を決める

01. 掲載すべき、したいテーマをピックアップ

前記から、ピックアップした、或いはその他の要件で、
採用パンフレットに掲載すべきテーマを絞ります。
まずはPTで議論し、一定程度上席の承諾を取りつけたいものです。

02. 簡易的に台割りを書いてみよう

次にPTにて紙面構成でテーマを割り付けてみましょう。
A4サイズを基本に手書きや、Word・PPTなどでシミュレーションしてみましょう。
これを“台割り”といいます。
この要件もこの時点で厳密な“台割り”までは不要とした方が良さそうです。
ただ企業として、採用パンフレット作成担当者としての意思を示す意味で、
おおまかな想定を持っておくべきです。
テーマの順序やスペースの大きさなど、まずは色々試しながらでやってみましょう。

台割りサンプル
あくまでも台割りをわかりやすくイメージさせるための雛形であり、ここまで具体的ではなくてもいい。むしろ必要以上に細かく作ると、業者の創造性を縛ってしまい、付加価値ある発想を奪ってしまう可能性がある。
ここで示している上図のケースは、表紙を含め7ページだが、仕上りはこれにウラ表紙を加え8ページ構成となる。

03. 簡易台割りができるとページ数が決まる

おおまかこの辺か、と思えるところで割り振りできたら、
ページを数えてみましょう。
A4の枚数を数え、それに表紙・ウラ表紙を足すと、下表の通り全体のページ数になります。
一旦、PT皆さんの想いは全体で何ページか?ここでわかります。

ページ数のシミュレーション
前述の通り、A4両面で台割りシミュレーションしたページ数に、表紙・ウラ表紙の2ページを足すと総ページとなる。

一方ここで1点注意があります!
ページ数はコストに大きく影響することは、ある程度わかっていると思いますが、
念のため認識しておきましょう。
次項の制作費のガイドラインが参考になります。

もう1点。
だからといって、あれもこれもA4紙面に詰め込むと、
それはもう、悲惨な結果になりますので、合わせてご注意を。
最終的に決まった業者への相談事項となるものの、
発注者として一定の指針がないといけません。
全ては効果を発揮する採用パンフレットのために。

9. 制作費の相場感を知ろう!

01. 必見!4業態の制作費を開示

さて、皆さんの最も高い関心事の一つ、採用パンフレットの制作費です。
それをなかなか得難い比較対照でご紹介します。

ここでは印刷会社、デザイン会社、広告制作会社、広告代理店の4業態で、

仕様をA4|8ページ構成、用紙|標準紙、印刷部数|500部、
企画構成・デザイン・コピー制作(撮影費・取材・インタビュー・出張費等は含まず)

として紹介します。
ここでは8ページです。前述の表に照らし合わせると、
総ページ8=本稿6+表紙・ウラ表紙

ただこの相場は筆者の経験と主観も交えていますので、
特定するものではなく、あくまでも一般論、傾向値として参照してください。
あと採用パンフレット制作では採用ナビの業者が入ってきますが、
ここでは対象から外しています。

採用パンフレット制作費相場

これに撮影費、インタビュー・取材費、その他必要要件が乗って、
最終的な見積額が業者から提示されます。

02. どこを選ぶか?

結論から言うと、よく言う、
「いいものを作りたい」
「前回失敗したので、今回は納得いくものを作りたい」
といった要望の場合、ズバリ!「広告制作会社」がおススメ。
その分少し金額は上がりますが、
やはり期待通り、または期待を超える採用パンフレットづくりの可能性は高くなるでしょう。

10. 業者選定前に業者向けRFPを作成する

01. RFPは当記事の「MENU」を流用しよう!

次項では採用パンフレットの制作業者候補を、リストアップする方法について説明しますが、
その前に必ずRFPを準備しましょう。
ご存知の通り、RFPは発注企業としての企画意図や求める効果・仕様について、
系統的にとりまとめ、制作業者に提案・見積を求める依頼書です。

特に形式があるわけでは無いですが、このBLOG記事の項目をRFPにそのまま使えます。
記事冒頭の「MENU」を項目として構成すると効率的です。
もちろん全てを取り入れる必要はなく、
自社の採用パンフレットづくりで必要な項目だけでもピックアップすればOK。
あとは自社の方針、PTの意思・要望をそこに反映すれば出来上がり!

02. オリエン時の打合せに事前配布しておく

候補になる業者を呼んで、オリエンをセッティングするでしょう。
候補の選定方法は次項で詳しく述べますが、
その際、事前にRFPを配布しておいて、オリエンの際に使用することが最も効果的です。
業者の質疑応答も含め擦り合わせることで、
業者のプロジェクトに対する理解度が高まり、
優れた提案を引き出す足がかりになりますので、これはおススメです。

時に、業者のサジェストでRFPの一部修正もあったりで、
RFPの品質向上につながることも考えられます。

ついでに、会社案内制作のRFPにはなりますが、
当BLOGで参考になる記事があります。
以下のバナーから参照できますので、合わせてご利用ください。

11. 業者を選定する

01. どんな業者を選ぶ?

冒頭でも述べましたが、
この項目では業者選定の要件として、
低価格・短納期・簡易制作、これらを除き、業者の属性を選ぶ必要があります。
まさに自社が求める業者の「資格審査」と言えるでしょう。

広告プロダクション

採用パンフレットを制作委託する候補業者としては最も優先する価値はあります。
特に多数の採用パンフレット制作実績を持ち、採用活動シーンに応じ、
課題に応じたソリューション戦術を、
巧みに企画やコンテンツに落とし込む力があれば魅力です。

採用ナビ会社

大手採用ナビ会社による採用パンフレット制作です。
採用ナビ掲載が前提となることが多いため、
メディア連携で採用パンフレットを制作する場合は選択肢になります。
ただし実制作は委託先プロダクションが主体となります。

採用コンサルティング会社

企業の採用戦略全般をコンサルティング契約した企業が、
採用パンフレットや採用サイト、動画などの採用メディアまで請負うケースです。
もしこのような契約をしている当該ベンダーがあれば、選択肢になるでしょう。
この場合、企業採用戦略に沿った企画・提案は優れていても、
やはりコンテンツ、デザインは外注業者になることは承知しておくべきです。

広告代理店

一定バジェット以上で、採用メディア全般の統合戦略を実行したい場合は期待できる存在ですが、
採用パンフレットの制作のみとなれば、正直あまりオススメしません。

印刷会社

印刷専門なので、採用の課題解決や戦術レベルでの企画は期待できませんが、
企業、PTで方針や構成が明確になっていて、
レイアウトやデザインと印刷さえしっかりやってくれれば…
というのであれば選択肢になるでしょう。
ただしそれ以上の提案や付加価値への期待は無理です。

個人事務所・フリーランス

原則個人デザイナーやライターへの依頼はオススメしません。
グループやネットワークがあるといっても、やはり寄せ集めです。
トラブルや瑕疵があった場合の対応力や責任能力が低く、
PTとしては社内での責任問題にもなりかねません。
安いからといって、安易に飛びつくことは避けたほうが無難です。

02. 候補になる業者を見つける

では具体的に制作を発注する候補になる業者をリストアップします。
前項に続く「資格審査」です。
やはり何の審査も無く、最初から特定の1社に決めてオーダーするのは、
現実的ではありません。
むしろリスクと裏腹であることが大きく、ダメな場合、また振り出しに戻ります。
お尻の決まっている採用活動のタイミングですから、
ロスの大きさを考えると、複数社の審査から選ぶのが賢い選択です。

既存取引業者

まず最初に俎上に上がるのが前回制作した業者、
または従来から印刷制作物を発注している取引業者です。
その良し悪しの程度は別として、少なくとも企業理解はあるためアドバンテージはあるでしょう。
ただし、大きな課題解決ミッションがあるとか、
マンネリを打破すべく乗り換えたい、などといった場合は、むしろ最初から選外となります。

業者を紹介してもらう

社内の他の部署からの紹介、PTメンバーの知り合い業者、
関連会社や取引業者からの紹介、等々です。
ただ筆者はこの選択はあまりおススメしません。
なぜなら、コネクションは結果がよければいい効果を発揮しますが、悪い場合…です。
お互い気まずいことになる、友好関係がこれをキッカケに疎遠になる、
といったことは結構枚挙にいとまが無いことが多いようです。

Web検索から見つける

この方法は非常に客観的で、しがらみやコネクション無く探すことができます。
「採用パンフレット」や「入社 パンフレット」その他で検索してみて、
検索結果で列挙される業者、これらを色々試してみましょう。
実際にサイトに訪れ、採用パンフレット作品や制作ポリシー、利用者の声、
さらに企業の属性までも評価できます。
やはり今の時代、業者物色の方法として、Web検索はマストな手法でしょう。

広告年鑑やアワード受賞業者

ここは当たり外れは少ないと考えられます。
採用メディアや広報媒体の年鑑、
○○新聞採用広告賞、○○採用広告誌のアワード受賞などから選ぶ。
それらを見て、ここで評価できない場合、検索でその業者のサイトの実績を見る。
その中から自社に合いそうな業者を選ぶのは、非常に現実的です。

03. リストアップ業者にRFPを提示

ここで選んだ業者をリスト化し、
前述した通り、それらの業者にコンタクトをとって、前項で作ったRFPを送りましょう。
そこで候補業者に次項で言及するプレゼン参加を承諾するか?
ただし承諾全社参加ではなく、
参加承諾業者から3社程度、多くても5社をMAXとして選びましょう。
選んで絞り込むことが大事で、
それ以上多数呼ぶのは、忙しいPT皆さんの疲弊を生むだけです。

12. 業者プレゼンを実施する

プレゼン参加意思を示した業者によるプレゼンを開催しましょう。
ここではRFPの要件を盛り込んだ提案プレゼンがなされるでしょう。
業者によってはRFP要件を超え、付加価値の高い、
或いは採用パンフレットを含むメディア統合策のスキームまでの提案があったり…
イヤーッ、PTの方々の期待を超える提案が相次ぎ、
どれも捨て難い、委託業者の決定が大変、
などと嬉しい悲鳴になるといいですね。

これもとりも直せば、業者向けRFPの出来・不出来の影響も十分あり得るでしょう。

13. 業者を最終決定する

一通り業者プレゼンが終了した段階で、
自社の求める採用パンフレットづくりに、最も合致した業者を選ぶことになるでしょう。
少なくともここでは最安値業者ではないはずです。

ただなかなか最終決定し辛い状況があるのも確か。
そんな場合、時間が許せば、2社に絞り、最終プレゼン、
場合によっては採用上席、役員プレゼンといったのもありです。

バジェットの大きさや重要なミッションであればあるほど、
上席にも審査に関与してもらうのは価値ある行為でしょう。

14. 業者与信や業務委託契約・NDA締結

最終段階ですが、
業者が決定され、当該業者にその旨通知する段階で、
同時並行させなければならないのが、
業者与信、業務委託契約、NDAです。

業者与信は新規取引の場合必要です。
この厳しい業界状況からすると、着手金払って連絡不通…
などといったことは珍しくありません。
決算書や取引先の信用調査会社への依頼は必須でしょう。

また同じく新規業者の場合、業務委託契約書や秘密保持契約(NDA)締結します。
これは社内法務部門のリーガルチェックとなると、
得手して時間を要してしまうため、
制作と同時進行することが好ましいようです。

15. 著作権のことをちょっと

まあ、これは予備知識として持っておいてください。
採用パンフレットは印刷物としての引渡しですが、
データの他媒体への流用から、IllustratorのAIデータやPDFデータについて、
あたかも当然の引渡し権利のように言われる発注企業がありますが、
これは当然の権利ではありません!

それは我々業界の業者が、過去言われるがままにデータを引渡し、
そこに何の抵抗もなく、タダで引渡してきた経緯があります。

このことからある意味、
企業が何のためらいもなく印刷データをください、しかも無料で、
と言うのも無理からぬことですが、筆者はそこにアンチテーゼを唱えなければならないと思っています。

もちろんその中で、きちんと別途費用を主張してきた業者もいます。
或いは別媒体への流用について、厳に制限することを、きちんと主張している業者が存在しているのも確かです。
それは何か?
制作されたデータは制作業者に著作権が存在するからです。

撮影写真はフォトグラファーに、
オリジナルの書き起こしイラストはイラストレーターに著作権が存在します。

ただし、発注企業は大枚叩いてコンテンツ制作を業者に発注した訳ですから、
権利は主張されるべきです。全くその通りです。

つまりそこで制作されたオリジナル情報の著作権は、発注企業に属します。
従って業者が自由気ままに、制作データを他の案件に流用したり、
コピーして使用することは厳に許されません。知的財産権に関する法律違反です。

ここで結論です!
採用パンフレット等、コンテンツの著作権は発注企業に属する。
そこで制作された情報のデータ著作権は、業者に帰属する。
撮影写真はフォトグラファー、イラストは作成者たるイラストレーターに帰属する。
とお考えください。

つまり提供する業者は、本来、自身の著作権を放棄するような、データ無償引渡しは、
ナンセンスであると筆者は言い切りますし、
発注企業も原則、このことは知っておいていただきたい!
データをよこせ!という発注企業の要求に対し、業者からデータ引渡し料を要求されても、
出す出さないは別として、違和感を持ったりや、拒否をされないよう、
くれぐれもお願いしたいと思います。
実はデータ譲渡の課金主張は、業者の当然の権利なのです。

ただその権利を主張しない業者は自由ですし、権利放棄は業者の自由意志ですが、
筆者はこの矜持は放棄せず、しっかり持ち続けたいと考えています。
業界秩序維持のためにも!

「ちょっと」と言いながら、随分熱くなってしまいました。スイマセン。

16. 最後に冒頭のアイキャッチイメージについて

当記事タイトルのイメージアイキャッチをご紹介しておきます。
有りモノのイメージ画像ではありません!
弊社の誇りである採用パンフレット作品のオリジナル撮影写真です。
最後にこちらもご覧いただき、この記事を締めくくりたいと思います。

採用パンフレット作品
中堅のグローバル専門商社、森村商事株式会社様の採用パンフレット実績。輝かしい企業史に裏付けられたブランド価値を、つぶさに再現した逸品。
画像をクリックして作品紹介ページへどうぞ。

執筆・編集|メイソン