会社案内のトレンドを語る【移り変わるコンテンツを考察】

会社案内で取り上げる項目と言えば、代表挨拶、事業内容、会社概要で良い!
何をか言わんや、依然まだ多く見られるのです。
企業の公式な広報メディアの名が廃る。。。
会社案内は、やはり時代に合わせ、社会情報を汲み取り、変化していくことが大事。
この記事では “会社案内のトレンドネタ” を網羅し、まとめてみました。
上記のINDEXを見て “これは重要、興味ある” というネタだけでも参照してください。
1. 会社案内の内容は依然固定的・保守的
01. 事実を述べただけ、顕在情報の羅列。。。
筆者の見立てですが、巷に存在する会社案内の内容は、依然かなり保守的、固定的です。
弊社が承る会社案内のリニューアルに際し、これまで使用していた会社案内を拝見すると、
ほぼ9割以上で以下の通り。
- 代表者の挨拶
- 事業内容
- 企業情報
- 拠点情報・地図
一方では、これで十分ではないか!会社案内とはそんなものだ!ちょっと上等な名刺替わりでいい!
といった向きの声が聞こえてきますが、その実、顕在しているファクト、決まっている固定情報のみで紙面構成。
少なくともそこに当該企業への期待感や夢を抱く、などといった感情は生まれないのです。
02. 会社案内リニューアルに課題を持った
ただ現場の営業パーソンや人事採用担当者、広報・総務など、
会社案内リニューアルをオファーしてくる窓口の方々、昨今、結構意識の変化が見られるようです。
例えば、
営業部門から会社の強みや差別性を掲載すべきと社内要請があった。
人事から採用にも活かしたいとのリクエスト。
総務・広報から成長戦略や事業ビジョンを語るべきとの依頼。
等々何らか課題意識をもった弊社への相談です。
中には会社のブランドをきちんと訴えたい!などという高レベルのリクエストも散見されます。
イヤーッ、会社案内に求める意識の変わりよう、時代の変遷を実感するのです。
2. 会社案内のコンテンツにテッパンはない!
01. 会社概要さえあればあとは何でも良い?
前項で語った、会社案内の固定した概念のテッパン情報。
むしろ筆者はそこにアンチテーゼとして、会社概要をきちんと掲載すれば、あとは企業の個性に委ね、
企業の本質を表すネタ・情報であれば、企業ごとに特徴があっていい!と言い切っています。
そもそも掲載要件を法律で縛られている訳でなし、
官公庁から許・認可を受けている訳でなし、審査を受けている訳でなし、
自由度が高く、内容に拘束を受けないメディアなのです!
もっとフレキシブルに、社員が誇りを持って会社を紹介できるメディアではないのか?
そう、会社案内に掲載しなければならないというテッパンコンテンツなど無い!
というのが筆者の見解です。
02. 時代に即したコンテンツが合目的的
では一体どのようなコンテンツがいいのか?何を取り上げるといいのか?
前述の通り、企業の個性に委ね、企業の本質を表すネタ・情報、と言いましたが、然してその実態は?
- 時代の変化に応じたもの
- 企業を取り巻く環境変化によるもの
- 社会情勢に即したもの
これらが会社案内の主役コンテンツとして、まさにこれからのトレンドと言えないでしょうか?
いやッ、新時代の会社案内はこうあるべきで、企業夫々に言いたいことが異なる会社案内であるべき!
オリジナリティある個性発信でこそ、これからのトレンドな会社案内なのです。
ではどんな内容にするのか?
3. トレンドな会社案内の項目・内容・ネタ
その殆どは先ほども触れた「時代の変化に応じたもの」「企業を取り巻く環境によるもの」そして、
「社会情勢に即したもの」がその主体となります。
ではここで列挙してみますが、
えッ?何の関係があるの?チョット飛躍し過ぎじゃないの?そこまで必要か?
と仰せの向きも覚悟、筆者は然に非ず!と言い切るのです。
- M&Aや事業承継
- 上場廃止
- スタートアップ・IPO
- 大企業・中小企業の二極化
- 少子化促進・労働者人口の減少
- DX化・印刷物の衰退
- AI化促進に伴う変化
- 産業の国内回帰
- 次世代6G通信
- グローバリズム・脱炭素の揺り戻し
いかがでしょう?
想定できるテーマを挙げてみましたが、会社案内の内容に影響すると考えられるテーマです。
意外にも、あ〜、何となくそれとなくイメージできる。
分からないでもないが、それが何故会社案内のネタ? じゃあ、会社案内にそれをどう表すの?
さらに、大企業ならまだしも、中小企業が取り上げるネタではない!
然らば会社案内の性質からして、やっぱりテッパンであるべきだろう、という先祖帰りな結論。。。
確かに心情はわかりますが、次項でその紐解きをやってみましょう。
結構腹落ちする方々は多くなると思います。
4. 時代や社会情勢に適した会社案内のトレンドネタ
では具体的に前項8項目を会社案内にどのように活かすのか?
これらをどのように会社案内の項目化するのか?
しかも会社案内として市場や顧客へ、「企業へ期待感を持たせること」「企業の将来に夢を抱かせること」。
実はこの辺がこの記事の最も重要な価値創造なのです。
01. M&A・事業承継
M&A
M&Aといっても、ここでフォーカスするのはM&Aを実行する側の企業です。
傘下に入る企業が同業であれば業容拡大となり、同じく関連事業や別事業であれば新分野・新市場への進出となるでしょう。
前者であれば、事業内容において併合による相乗効果を訴え、
業界内の競争力で既存顧客や潜在ユーザーへ向けた強気のメッセージを発信するのです。
事業承継
後継者不足の中、念願叶って事業承継を成し得た企業。
現状の業容に変化は無いでしょうが、後継者、新社長のビジョンを高らかに語りましょう!
敢えて「事業ビジョン」とか「成長戦略」という項目を設け、中長期に及ぶ数値目標・シェア、目標達成への戦略内容、
また目指すMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を掲げることも大変価値ある会社案内のコンテンツになります。
02. 上場廃止
上場基準に満たない株式時価総額、企業価値を失った場合、またHD傘下に入ること、前項のM&Aなどの上場廃止。
昨今多くなってきたのが自立自尊の意思から、株式市場とは一切縁を切り、独立系企業を目指す上場廃止。
前者ではHDやM&Aの主幹事会社の傘下に入る訳ですから、親会社の方針に従うことになりますが、
会社案内の内容に大きく影響するのは後者です。
独立自尊とは聞こえはいいですが、資金調達が難しくなる、ブランド力が下がる、採用にもディスアドバンテージ。。。
しかしながら経営層の裁量のみで実行できる経営戦略、独立独歩の道を歩む大きなチャンスでもあります。
会社案内では「ブランド力」、「ブランドイメージ」といった項目で自社の差別制・優位性を語る。
上場時点では語れなかった新たなコンセプトに基づく「経営理念」、
さらに筆者のおススメ項目は、新たな船出を飾る企業プレゼンスを「自律型成長戦略」、「新・成長ビジョン」とするもの。
顧客・取引業者へは強い期待感を与え、新卒者、求職者へは差別性高いメッセージとなります。
03. スタートアップ・IPO
前項とは反面、これから上場したり、成長性を武器に上場を目指しエンジェルに支援を訴えかけるスタートアップ。
投資家、エンジェルをはじめ、証券会社、銀行、監査法人へ向け、有りっ丈の夢と希望を与える機会です。
会社案内は策定した事業計画の公式版的存在と位置付けましょう。
しかしながら事業計画のそのまま焼き直しでは会社案内の意味がありません。
創造性を掻き立てる魅力的なコピー、新たなマーケットを創造する世界観のイメージ、
開発力・技術力・サービス力の差別的優位性を図式やチャートで表現する。。。等々、
広告宣伝や広報PRを意識した訴求力や項目設定が、初々しい活力を感じさせるでしょう。
04. 大企業・中小企業の二極化
一般的にはなかなか感じ取れない要件ですが、昨今徐々に進行しつつあることに、
大企業と中小企業の二極化、さらにその先でM&A、企業の合併が静かに取沙汰されています。
その象徴が大企業中心の賃上げ、雇用の流動化、中小企業の社員へ向けたリスキリング。。。
この状況下で、大企業に負けない強い競争力を持つ中小企業、
独自の開発力や技術力で市場で強みを発揮している中小企業。
このような中小企業が埋もれて、淘汰の対象にならないことが大事です。
会社案内では「弊社の強み」、「差別的優位性」、「弊社の競争力」などの項目が、
既存顧客や営業先の潜在ユーザー、さらに求職者を惹きつけ、企業の劣化に巻き込まれないよう、力強く発信しましょう。
05. 少子化促進・労働者人口の減少
採用活動に及ぼす影響
ここ数年来、企業の採用活動に大きな支障を来たている中で、
今後さらに追い討ちのダメージを被るのがこの少子化・労働人口の減少です。
折角成長性のある企業、市場競争力のある企業でありながら、人材が確保できないため、徐々に力を失っていく。。。
何をか言わんや。。。特に知名度のない中小企業は、これから早めの対策をとるべきでしょう。
昨今の学生の企業を選ぶ理由で、「社会貢献」「企業の将来性」「福利厚生」等が上位に。
待ってました!会社案内で「弊社の将来性」と題してを思いっきり語りましょう。
また「社会貢献」は単に株主が求めるCSRではなく、自社の製品・商品やサービスによって、
学生に向け具体的にわかりやすく訴えかけると、潜在顧客・ユーザーへの認知にも繋がります。
経営に及ぼす影響
やはり学校関係、塾や予備校など、ダイレクトに影響を受けます。まさに経営に直結する死活問題。
この業種は会社案内、改め学校案内とするのが一般的です。
その学校案内では、贅沢に「学校ブランド」、「スクールブランディング」を取り上げます。
その以前にブランディングに取り組むこと、
そこで確立したコンセプト、つまり他校・他社と異なる明確なレゾンデートル、
人々の心理や気持ちに作用する無形の資産を発信するのです。
06. 採用難の克服
前項とも関連する人材採用問題です。
今後は超売り手市場が慢性化、企業が採用難の一途を辿ることは必至で、環境の好転はほぼ皆無。
ここで会社案内がどういう存在になるべきか?筆者は採用から一歩進んでHR(ヒューマンリソース)の概念が重要と捉えます。
然はさりながら、求職者とのタッチポイントは、採用サイトや採用パンフレットの採用オウンドメディアが担う。
求職者は内定辞退もなく、入社後は仕事にやり甲斐を感じ、その企業に定着し、企業発展に貢献する。
つまり採用活動時点から、求職者の企業選択にミスマッチを生じさせないことが重要で、
これこそHRを見据えた経営戦略的な採用活動と言えるのです。
会社案内ではそんな求職者へ、自身が将来活躍するイメージを見せてあげるネタ、
などという項目が採用難を打破するミッションを請け負うのです。
07. DX化・印刷物の衰退
DX化
やはりありとあらゆる企業は、DX化が今後一層進むと思われますが、
会社案内においてもDX化は大変重要で、既に進んでいる企業は会社案内のデジタル化に至っています。
ここで重要なのが、はビジネスで必須ですね。
人間がアナログであり、人々がリアルなコミュにケーションを求めていく以上、
アナログとデジタルの共存は、いつの世も求められるのでしょう。
印刷物の衰退
印刷物の衰退が巷で語られるようになって久しいですが、
この印刷物、雑誌・書籍の出版物、新聞の衰退により印刷物全体が右肩下がりの減少となっているのです。
実は会社案内などの商業印刷領域は結構底堅く、現在でも微増の様相を呈しているのです。
しかしながら、前項のDX化に乗り遅れてはなりません。
印刷物として公式に存在する会社案内に加え、ビジネスの世界で多様シーンで有用性を発揮するデジタル版は必須。
しかしながら単に印刷媒体の会社案内の焼き直しではダメ!
オンラインの商談で効果を発揮する、またリモートでの採用活動に威力を持つ会社案内であるべき。
DX化と言っても、DXの形式を満たすだけでは手段に過ぎず、営業の目的、採用の目的ではありません。
08. AI化促進に伴う変化
今の所、AI化の進行が、会社案内の存在がどのように変化をもたらすか?
実は特に大きな変革が訪れるとは想定していません。
なぜなら会社案内というのは、コンテンツだけがその全貌をになっているのではなく、
用紙の種類・質感、サイズや形状、多様な印刷方法、フォントやデザイン素材、
そして何と言っても印刷という工程、ページ綴りや加工の妙味、
ページを繰っていく紙の音、手の感触、紙の匂いまで、人間の五感で味覚がないだけ!
どれをとってもAIでは無し得ないアナログのワザ!
もちろんVRやバーチャルワールドでの再現性はあるものの、それとて人間の五感には程遠い。
とは言え、AI化の煽りを喰らって、会社案内などの印刷物が一部で淘汰されていくのは確かでしょうが、
アナログの価値は古今東西、満更でもないのですゾ!
09. 産業の国内回帰
ここ数年、海外に販路、生産拠点を求めた企業の国内回帰が一層促進されていくのでしょう。
それに連れて、製造業を中心に国内市場が見直され、国内産業が新たな活況となれば、デフレからの脱却、
国内需要の増大など、ビジネスの復興が期待されます。
そのような中で、国内の業界・市場へ向け、企業広報・PRは、会社案内が威力を発揮する、力強いメディアとなります。
営業パーソンの商談機会、株式市場で株主へ向けたメッセージ、求職者のエンゲージメント形成。。。
「日本ブランドの再挑戦」、「国内でリブランド」、「国内市場再チャレンジ」、「地域経済への貢献」など、
国内の産業復興、ジャパンブランドの再構築を語る、会社案内の新たなテーマとなります。
ビジネスチャンスは確実に拡大志向となり、
ニッポンのモノづくり、おもてなしサービスのチカラは、会社案内で能動的に発信していきましょう。
10. 次世代6G通信
実は日本が主導すると言われている6Gネットワーク。
夥しいデータ処理量と超高速性。自動運転や宇宙・航空、軍事に大きな影響を及ぼす。
そんな通信・ネットワークを担うIT企業やシステム会社。
エンジニア採用に活かさない手はありません。エンジニアを目指す求職者にはまさに羨望の眼差し。
また次世代へ向けた高い技術力は、BtoBの新規取引にも大きく貢献します。
会社案内で「次世代通信・ネットワークへ挑戦」などの項目が踊ると、
エンジニア予備軍は、御社を捨て置けない存在と強く意識するでしょうし、新規取引の機会利益を創出できるのです。
11. グローバリズム・脱炭素の揺り戻し
少々大きく世界情勢に目を向けてみると、
これまで全世界レベル、我が国レベルで推進されてきたグローバリズム。
具体的には国境を跨ぐビジネス展開、脱酸素・温暖化阻止の環境ムーブメント。
実は行きすぎた情勢に、筆者は徐々に揺り戻しが行われていくと見ています。
自国ファーストを唱える米国、欧州の保守派の台頭、
ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)風潮の是正、
一部の権威的勢力への反動。。。等、そこにNo!を突きつける動きが今後加速されるのは確かでしょう。
翻って、我々ビジネスシーンでも少なからずその影響が訪れると思われます。
今後、SDGs、サスティナビリティ、CSRなどは会社案内掲載のコンテンツから徐々に自然消滅するのか、
積極的に取り上げるネタでなくなることは、普通に時代のトレンドとなるかもしれません。
あと書き
この記事で述べてきたこと、
特に会社案内だけのネタではないこともおわかりいただけたでしょう。
コーポレートサイトにも活かせるテーマ設定なのです。
この際頭を切り替え、柔軟な発想の下、これから会社案内をリニューアルする、近い将来刷新する、
または会社案内を新規でつくる計画がある、等々、
単純思考で、ステレオタイプな決め付けの会社案内を卒業しましょう。
その際は、弊社の会社案内無料相談室がとても役に立ちます。
また会社案内づくりに関連したありとあらゆるお役立ちネタも無料ホワイトペーパーもご準備!
ぜひご活用ください。ダウンロードは以下のバナーから!
<執筆・編集|メーソン>