パンフレットとカタログの違いをわかりやすく解説
「パンフレット」VS「カタログ」!
別にパンフレットとカタログが戦をするわけではなく、
夫々が対立しているわけでもありませんが、
巷ではその区別が曖昧にされ、
ほぼ綯交ぜで語られることが多いため。
ここできちんそれぞれを定義しておきたいと思います。
実は敢えて対立軸で表現するほど、
パンフレットとカタログの性質の違いをご理解いただけると思います。
1. パンフレットとカタログの違いを俯瞰する
「パンフレットとカタログの違い」とタイトルで銘打っており、前述リード箇所でも対立軸で語っていますが、
実はそれぞれは兄弟姉妹というか、親子関係というのか、その繋がりや関係性は意外にも強いものです。
もちろんケースによっては、血縁が薄いことありますが、
同一企業内でこのパンフレットとカタログを展開する場合、後者でも出自・祖先(企業)は同一。
取り扱っている製品・商品・サービス全てを一覧総まとめにした制作物が「カタログ」。
そのカタログから単品〜カテゴリー単位で小分けし、より詳細情報を掲載した制作物が「パンフレット」。
この関係性からして、カタログを先行して説明した方が、
それぞれのポジショニングを整理しやすので、カタログ → パンフレットの順で定義していきます。
2. カタログの定義
「複数、或いは多数の製品・サービスを一挙にとりまとめ、冊子、または製本されて綴られた制作物」とは、前述の通り。
「カテゴリーやジャンル分けされ、求める製品・サービスにスピーディーに辿り着ける検索性、
そこで掲載されている製品・サービスは、
製品名・型番・仕様諸元・キャプション(説明書き)・価格・写真、必要に応じてCAD図等が、
フォーマット化されたり、一定の規則性をもって掲載されている。
さらに表紙を開いた扉ページににはカテゴリーやジャンルごとに一覧できる、
インデックスが設けられ、各ページの小口(断裁面)にも、
索引しやすいインデックス加工がなされ、
さらにユーザビリティが高められていることもある。」

仕上がったカタログは、顧客やユーザー先に設置してもらい、必要に応じその中から需要機会を促す。
それだけに表紙や装丁に加工や工夫を凝らし、厚紙や上製加工など、
重厚感や客先でのデスクや棚に設置して存在感を高めるのも、このカタログのプレゼンスの特徴とも言えるのです。
イメージが持てましたでしょうか?
つまりその象徴的なのが、分厚い無線綴じの総合カタログでしょうか、わかりやすく言えば。
もちろん少品種掲載で小スペックのコンパクトでも、上記の要件であればカタログはカタログです。
いずれにしても、機能性に重点を置いていると言えますね。
諸説あると思いますが、あくまでも一般論として。

3. パンフレットの定義
次にパンフレットです。
カタログが取扱いの全品種、或いはカテゴリー・分野別に製品やサービスがまとめられている、
ということでは、ある意味総花的で、製品・サービスの目的や規格、特徴などが異なっても、
ひとまとめにした媒体、という定義でした。
それに対しパンフレットです。
例えば製造業の製品パンフレットとした場合、1単位〜小単位、
つまり1アイテム〜数アイテムの製品・サービスをクローズアップさせ、
スペックだけでなく用途提案、ベンチマーク、コストパフォーマンス、導入シミュレーション、導入事例、ユーザーボイス、
さらに開発コンセプトやブランド情報にまで、製品情報に深く言及した媒体と言えます。
そういう意味では、度々言及していますが、総合カタログの中から1品〜数品ピックアップして、
カタログでは表現しきれなかった詳細情報を掲載する。
また新製品や新規取扱い商品など、総合カタログには無いアイテムを個別にパンフレット化する。
ここはカタログとパンフレットの相違点の一つであり、
前項で語った比較的血縁が薄いものの、出自は同族、といった例でしょう。
ページ数は比較的小ページ数、4ページ・6ページ・8ページ、12ページ…
もちろん製品やサービスによってはカタログに匹敵するほどの重厚感や、
多ページに及ぶものもあります。
例えば車のパンフレットですね。高級車になればラグジュアリー感も必要でしょう。
また法人営業や個人営業の営業シーンで活かす製品・サービスのパンフレットは、
機動性やポータビリティの高い営業パーソンの必携ツールとなり得ます。
この観点からもカタログとはその使い勝手や役割からは、大きく異なる点と言えます。

4. 然はさりながら、パンフレットは多種多様
製品・商品パンフレットにフォーカスしましたが、
パンフレットはその他にも、
採用パンフレット、生徒募集パンフレット、企業情報パンフレット(会社案内)、
事業パンフレット、官公庁の広報パンフレット、DMパンフレット、
CSRやIR系パンフレット、
自動車パンフレット、映画パンフレット、
さらに細分化して百貨店やショッピングモールのフロアガイドなども、
このパンフレットの範疇に入ります。
また似て非なるものに、「リーフレット」がありますが、
端的に言えばA4やB5サイズで1枚仕様の媒体です。
折を入れたりしてスリムタイプにすれば、
病院・クリニック、ヘアサロンなどでよく使用される、コンパクトな媒体になります。

様々な用途・業種のパンフレットがありますが、共通する概念は、機動力やポータビリティに加え、要素の絞り込み。
これはパンフレットの共通する要件でしょう。
5. 静のカタログ・動のパンフレット
以上からして、パンフレットとカタログのイメージ。皆さんも何となく以下のように思えたのではないでしょういか?
【静的媒体のカタログ】【動的媒体のパンフレット】だと。
それぞれの媒体の違いを筆者なりに定義しました。
皆さんがカタログやパンフレットをお作りになる際、ご参考にいただければと思います。
もしカタログとパンフレットの効果的な使い分けや、夫々を有効活用されたい場合、
筆者所属のアイムアンドカンパニーがご相談にのります。いい提案、いい仕事します!
- 執筆者紹介
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- 村田 明英 アイムアンドカンパニー株式会社 代表取締役
- 創業30周年を控え、独立系クリエイティブエージェンシーとして同社の存在、成長を先導
- 同社の特徴となる印刷クリエイティブをメインとしたWeb・動画のトライメディア連携を確立
