01年間採用スケジュールと媒体の運用
中堅・中小企業は二正面作戦
新卒就活生・求職者は依然として大企業志向は変わっておらず、中堅・中小企業にとっては、引続き逆風下での苦戦を余儀なくされています。
しかしながらそればかりを恐れていても始まりません。
弊社では中堅・中小企業の場合、採用活動を二正面作戦でいくべきと提案しています。
一つは少なくとも2022年新卒採用までは正攻法となる、政府採用指針に沿った活動です。
3月からの広報活動開始に企業説明会等で、そのタイミングは外さず、あえて他社と同時期に活動を実行することで、求める人材・学生との接点を持てる機会が得られ、見込み学生の母集団を確保することにつながります。
あと一つは、通年採用、もしくは自主日程の活動計画です。
3月を待たず先行逃げ切り型の、ある意味ゲリラ的な作戦です。前年10〜12月、年を越して1〜2月、これにインターンを加えることも選択肢です。実は昨今、この手法をとる中堅・中小が多くなってきただけでなく、大手も通年の中で先手を打つ企業が出てきました。
そういう意味ではゲリラ作戦ではなくなりつつありますが、やはりこの時期に先手を打つことは大事でしょう。
もちろん通年作戦ですので、タイムラグで若干落ち着いた5〜6月に作戦実行も視野です。
オンライン化はむしろチャンス
しかしながら厄介なのは、合同説明会が開催できない環境になり、インターンが実施しづらいため、中堅・中小にとっては、最も大きなチャンスをほぼ失うこととなり、非常に不利な状況を招いています。
ただここも無策では、企業の持続成長を確保するために必要な人材獲得はかないません。
やはりここはオンライン活動を主流に据え、状況に応じて対面のコミュニケーションも適度に実施しながら、その仕組みづくりや運営方法で、他社に先駆け、大手にはできない、言わば中堅・中小企業ならではの「ニッチな手法のオンライン+対面戦略」を独自戦術で進めることができる、コロナ感染以降の
またとないチャンスになる可能性があります。
採用パンフレットなど採用ツールの活かし方
まず採用サイトと企業サイトが主役
この環境の大きな変化は、採用パンフレットなどの採用ツール類の使い方、使うタイミング、またコンテンツの質・量や仕様・スペックまでも変えなければならないと考えています。
逆に前述に言及したオンライン下の採用活動に合わせ、うまく使いこなせば、中堅・中小企業でも大手企業に負けることのない採用実績を勝ち取ることも可能となります。
その手法の一つが、採用サイトとコーポレートサイトを主役に据えることです。
やはり何と言っても、対面・集合の機会が縮小され、避けられる傾向は、必然Webを介した情報発信と就活生・求職者へのリーチ、コミュニケーション形成が最適と考えられます。
企業説明会・インターン・面接もオンライン
その中で頼みは企業説明会、その後の面接の機会。一部対面を交えながらの開催と思いますが、その主力はオンライン開催でしょう。
インターンも職場体験とはいかないまでも、オンラインの枠内で擬似体験やオリエンも、SkypeやZoomであれば複数名の学生や求職者と実施します。
採用パンフレットは唯一オフライン媒体
これらオンラインによる企業説明会、インターン、面接の機会に配布をしておく、採用パンフレット・入社案内、そして会社案内。
何と言っても唯一オフラインの採用情報・企業情報です。
そういう意味では、非常に希少価値が高いだけでなく、企業理解も一層深く促進される役割を果たし、内定辞退、入社後の早期退職も最小限に留める効果も発揮します。
ただ採用サイト、コーポレートサイトへの導線確保も必要ですので、複数の採用ナビへの出稿も活用します。このことは母集団の確保にもつながることとなります。
その裏方で、採用パンフレットでは完結できない企業の信頼性を、会社案内がしっかり下支えする枠割を担います。
中堅・中小はオンラインでチャンス
このようにオンラインの採用活動をきめ細かく、機能的に、計画的に実行していくことで、オンラインに不慣れな企業、また大味になることが否めない大企業とは一線を引き、差別性の高い採用活動を行えます。つまり前述の通り、中堅・中小企業ならではの、ニッチ手法のオンラインと対面での活動を独自スタイルで進めることで、むしろチャンスを広げる可能性を秘めていると言えます。
02 採用パンフレット・採用ツールづくりのポイント
愚直に正攻法でいく
ではこのような環境で使用する採用パンフレット・入社案内、また会社案内づくりとは?
特に中堅・中小企業の場合、例えば背伸びをし、身の丈に合っていない内容だったり、企業の特徴やビジョンが語られていないパンフレットやツールでは、逆効果とはいいませんが、やはりその場のウケ狙いや、一過性の広告宣伝的な表現に終始すると、その場で就活生のテンションを向上させても、企業の本質を語っていないと、その後客観的に候補の複数企業を見比べた際に違いを見出し、内定辞退や入社まで漕ぎ着けても入社後のミスマッチ退職に繋がりやすい傾向にあります。
この時点でオフラインの象徴たる媒体、採用パンフレットや入社案内は、ウケ・ノリ、また巧みに表現した本来と異なる企業イメージではなく、例えば、
● 事業の成長戦略
● 市場へのチャレンジ精神
● 社員の活躍・成長フィールド
● 社会貢献性...など。
むしろ装飾しないありのままの企業の思いをさらけ出す...くらいの姿勢が、中長期的に、求めるターゲットの就活生・求職者には、その親族までも含め、必ず正当な評価に繋がり、一過性ではなく、定着するものです。
またその姿勢を公式に企業として裏付ける媒体が会社案内です。
従って採用パンフレットで就活生・求職者を企業に惹きつけ、会社案内で企業の信頼性を醸成する、言わば、採用活動において、相互補完関係にある媒体同志であると言えます。
中堅企業は当然ながら、中小企業においてもその会社案内の存在は、今や簡易的なPPTで済ます時代ではありません。
体裁や仕様の品質にもこだわりたい
中身の適性が確保でき、足すことも引くこともしない企業のありのままのコトを表現できたら、
次はモノにもこだわりたいもの。
それは採用パンフレットや入社案内、会社案内そのもののスペックです。
中でも会社案内は企業ブランディングやCIそのものですので、ここは主役の採用パンフレット・入社案内に言及を絞ります。
そのスペックとは、
サイズ、形状、紙質、ページ数、加工...その他ありますが、ここはこの程度に。
サイズは特にA4、B5などと規格サイズにこだわる必要はありません。むしろ規格外や自由なサイジングが味があっていい。
形状も長方形・正方形だけでなく、円形、三角形、複雑なトムソン加工(型抜き加工)はアイキャッチーな存在になります。
紙質は紙媒体の良さを表す“手触り感”という独特の触感、高級紙だけでなく、非日常的な見た目、触感なども、実は企業の文化や価値観、またセンスを表すもの。
オンライン媒体が主流の中、オフラインたる採用パンフレット・入社案内、そして会社案内は、中堅・中小ならではの特徴を表し、就活生・求職者にしっかりアピールする仕様・品質にこだわりたいものです。
03【中小企業導入事例】企業説明会で活かした採用ツール
株式会社リクルートフォレントインシュア 様<不動産保証サービス業>
就活生と、そしてその父兄にも届けたい。
大手人材企業関連会社の採用パンフレット作成事例です。賃貸保証サービスという新卒学生には馴染みのないサービスをきちんと伝えること、また一方で学生の両親へのメッセージとして、単に企業名から受けるイメージだけでなく、非常に堅実で安定した企業であることを、具体的な実績を数値で織り交ぜ、企業の将来性、マーケットの成長性、社会貢献性を強く前面に押し出し、学生の両親に対しても安心感と共感へと導く採用パンフレットの仕立てです。
デザイン性は人々が自由に住まいを選べることを鳥になぞらえ、水彩画タッチのやさしい印象が、懐の深い豊かな包容力の社風を表すと同時に、明るい職場環境が伝わる入社案内パンフレットに仕上げました。
全面水彩画調のデザインタッチ
全8ページ構成のパンフレット抜粋だが、右上の見開きで同社様のビジネスフィールドに触れ、左上の見開きで先輩社員へのインタビューを掲載。ここで掲載していない別ページでは、業界やビジネスのコア情報、社内組織等の情報で構成している。
井上株式会社 様<電気設備資材販売・電気設備工事業>
「iアカデミー」という3年計画の人材育成プログラムがコンテンツ。
新入社員の人材教育に大変尽力している企業の採用案内パンフレットです。入社後3年かけ非常に手厚い社員教育を施すシステム「iアカデミー」を自社で独自に開発して運用する。その全体構成の概要を解説していているだけのパンフレットですが、そもそもその手の制度を採用していることが、中堅・中小企業では稀有なケース。さらにまたその情報のみが企業説明会や合同説明会で使う採用パンフレットのコンテンツとは...。人材を長い目で手塩にかけてじっくり育て上げていく姿勢。
この売り手市場の採用難の時世であるからこそ、手許の小手先に甘んずるのではなく、採用後の3歩以上先に踏み込んだ教育システムを採用パンフレットのコンテンツに仕立てることは、かえって他社との大きな差別性、ニッチ性を発揮でき、学生の心を射止めることとなります。
最少4ページ構成のパンフレットであるが、充実したコンテンツとデザイン性で非常に強い存在感と、価値観を訴求できることとなり、中堅企業の採用パンフレットとは言え、十分戦えるものとなっています。
赤い頭巾・赤い衣裳の忍びのキャラクターがナビ。
この採用パンフレットでナビゲート役を務めるのが、赤い忍者君。実はこの忍者君、同社様のコーポレートキャラクター「伝説の電設マン」。
その際には頭巾・衣裳の色は青だが、今回の「iアカデミー」では新たに赤装束で登場することとなり、今後赤は「iアカデミー」コンシェルジュ役として新卒者へ語りかけ、プログラムのナビゲート役として存在感を出していくこととなった。
株式会社アイル 様<基幹・WEBシステム開発運営企業>
業界イメージとは逆を行くパステルピンクのハートに、就活生は緊張緩和。
ICT業界と言えば一般的にIOIOのデジタル感や、プログラムのスクリプト感が業界イメージだが、一定の実務経験を積んでいるSEやプログラマーであればまだしも、新卒のSE予備軍は大変な緊張感と敷居の高さを持ってしまう業界の特性。
ありのままの存在感では同社様が欲しい人材へのメッセージ性は限定的。
普通にデジタル感強いICTイメージを表現したのでは、ICT業界合同説明会場で他社と同化してしまうし、同社様の特徴を活かせない。
そこで弊社が考えたのが、同社様のパステルなピンクとライトブルーの企業カラー。これをうまく活かせないか?
このピンクとライトブルーを基調にし、さらに就活生に対し社員の気持ちを届けるハートをキービジュアルに、就活生に年齢の近い若手社員にご登場いただき、ラブコールを送ってもらった。
04採用パンフレット相談室
2026年対応!【新卒採用ツールづくり】