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01カタログのタイプ別作り方|中綴じ・無線綴じ・規格外の発注仕様と選定基準
カタログの形状は、製品点数と情報の寿命で決まる。
載せる数が変われば、綴じ方も探しやすさも変わります。
20ページ、40ページ、100ページ。会社案内にはない厚みが、カタログにはあります。
製品点数が増えるほど、読み手は目的の製品にたどり着けなくなります。
見た目から形状を選ぶと、開いた瞬間に探せないカタログになります。
このページでは、中綴じ・無線綴じなど4つのタイプについて、
向いている用途と、発注前に確認すべきことを実務の視点から整理します。
このページでわかること
- 形状を決める6つの判断基準
- 4タイプの向き・不向きと、発注時の注意点
- 中綴じ・ポケットホルダー・無線綴じ・規格外それぞれの発注仕様
- 用途別に適した形状の早見表
- 総合カタログの検索性を決めるインデックスとタブ加工
- 更新頻度の高い情報を、本体に刷り込んではいけない理由
形状とタイプの確定は、企画から印刷までの工程のうち、掲載する製品と分類が定まったあとに固める段階にあたります。
発注仕様の決定|形状と綴じ方で検索性が変わる《最初に決めること》
カタログを発注するとき、最初に決めるべきことはデザインの見た目ではありません。
何点の製品を載せるのか、その情報はどのくらいの頻度で変わるのか、読み手はどの場面でそれを開くのか。これらによって、選べる形状は変わります。
カタログが会社案内やパンフレットと決定的に違うのは、多ページになることです。標準A4サイズで20ページ、40ページ、100ページ。ページ数が増えるほど、読み手は目的の製品にたどり着けなくなります。
そしてカタログは、顧客のオフィスや手元に備え付けられ、必要になったときに開かれます。その場で目的の製品に行き着けるかどうか、つまり検索性が、カタログの価値を決めます。形状と綴じ方は、この検索性を左右する設計要素です。
形状は印刷仕様ではなく、読み手が目的の製品にたどり着けるかどうかを決める設計要素です。
発注前に整理する6つの判断基準《仕様を決める観点》
カタログの仕様を決める際は、最初に次の観点を整理します。
この6項目が埋まっていれば、制作会社との初回打ち合わせで仕様がその場で固まります。
| 掲載製品点数 | 確認すべき内容 | 仕様への影響 |
|---|---|---|
| 更新頻度 | 価格、仕様、ラインナップがどの周期で変わるか | ポケットホルダー+差し替え運用の要否が決まる |
| 検索性の要件 | 読み手が型番で探すのか、用途から探すのか | インデックス設計、タブ加工、目次構成に影響 |
| 使用場面 | 商談で開く、展示会で配る、顧客先に常設する | サイズ、厚み、携帯性、耐久性に影響 |
| 情報の階層 | 製品スペックのみか、開発思想やブランドまで語るか | ページ配分と表現面の面積が変わる |
| ブランド印象 | 信頼感、技術力、先進性、高級感、独自性 | 用紙、加工、規格外サイズの採否に影響 |
この判断を行わずに「とりあえずA4で50ページ」と決めてしまうと、製品点数と綴じ方が噛み合わず、開きにくいカタログになります。
4タイプの比較|向いている用途と発注時の注意点《一覧》
| タイプ | 向いている用途 | 特 徴 | 発注時の注意点 |
|---|---|---|---|
| 中綴じタイプ | 30ページ以内の製品カタログ、サービス案内 | 最も標準的。開きがよく、見開きを使いやすい | ページ数は4の倍数。仕様変更の差し替えには弱い |
| 中綴じポケットホルダー+ペラパンフレット タイプ | 製品情報の改定が頻繁なカタログ、提案営業 | 本体は据え置き、製品情報だけ差し替えられる | 初期の加工費がかかる。差し込む枚数を先に決める |
| 無線綴じタイプ | 50ページ以上の総合カタログ | 大量の製品を1冊に収められる。背文字が入る | 検索性の設計を怠ると、厚いだけの冊子になる |
| 規格外タイプ | ブランド訴求、ハイエンド商材、記念カタログ | 非日常感と個性で強い印象を残せる | 印刷・加工コストと、保管性・郵送性の確認が必要 |
次の項目以降で、この表のタイプ順に詳細をご説明していきます。
中綴じタイプ|30ページ以内を1冊にまとめる標準仕様《製品カタログの基本形》
発注時に決める仕様
標準A4サイズで、30ページ以内のカタログであればこの中綴じが適しています。二つ折りにした紙を重ね、中央を針金で綴じる製本です。
開きがよく、見開きを大きく使えるため、製品の比較表や用途別の一覧を組みやすい形式です。
製品カタログ、サービス案内、シリーズ単位の製品案内で最も多く選ばれています。
この形状を選ぶケース
● 掲載製品が1カテゴリー、または数十点までに収まる
● 見開きで製品を並べて比較させたい
● 商談の場で開いて説明し、そのまま置いてきたい
発注前に確認すること
ページ数は原則として4の倍数でしか組めません。「あと2ページ足したい」は構造上できず、4ページ単位で増減します。
また50ページ、100ページと増えていくと、中綴じでは綴じきれません。
綴じられたとしても週刊誌のような体裁になり、ページが浮いて開きにくくなります。その場合は無線綴じを選びます。
そして価格や仕様のように変わりやすい情報を本体に刷り込むと、その一箇所を直すために全ページを刷り直すことになります。
更新頻度が高い情報がある場合は、次のポケットホルダータイプをご検討ください。
中綴じタイプ|30ページ以内の製品カタログに向く標準形
二つ折りにした紙を重ね、中央を針金で綴じる製本です。ページ数は原則4の倍数で、30ページ以内であればこの形式が適しています。見開きを大きく使え、製品を並べて比較させやすい構成です。
中綴じポケットホルダー+ペラパンフレット タイプ|製品情報だけを差し替える《改定の多い製品群》
発注時に決める仕様
ポケットホルダー加工を施したカタログです。
スタンダードなのは二つ折り見開き(4ページ)で、表紙を開いた右側ページにポケットを配置し、そこに製品別のペラパンフレットを複数枚挿入する建て付けです。
ペラパンフレットはA4サイズが一般的なため、ホルダー加工をする本体はA4より少し大きいA4ワイドにします。
中綴じで8ページ、12ページと組み、その最終ページにポケット加工を施す形も増えています。
本体には製品コンセプト、製品サマリーとインデックス、企業情報など、中期的に変わらない情報を置きます。
製品ごとの仕様やラインナップはペラ側に分けます。この使い分けが明確になるほど、運用が楽になります。
この形状を選ぶケース
● 製品仕様やラインナップが、1〜2年で改定される見込みがある
● 顧客ごとに、渡す製品情報を組み替えたい
● 商談で提案書や見積書を一緒に挟んで渡したい
発注前に確認すること
ポケット加工が入るため、初期の制作費・加工費は中綴じより高くなります。
一方で改定のたびに全体を刷り直す必要がなく、差し替える紙だけを刷ればよいため、中長期で見ると印刷加工費を抑えられます。
用紙は、ポケットを配置する表紙面を中面よりコシのある厚手にします。
ポケット部に名刺スリットを設けること、見開きの左右両面にポケットを配置することも可能です。
自社のロゴやキービジュアルの形状をポケットの型に使えば、表現面のアクセントにもなります。
発注時は、差し込む製品パンフレットの種類と枚数を先に決めておくと、ポケットの仕様が固まります。
中綴じポケットホルダー+ペラパンフレット タイプ
フラップ加工した本体に、製品別のペラパンフレットを挟み込むスタイルです。右上・左下それぞれの見開きページは、プロダクトブランドやグローバル展開を語るコンテンツに紙面を割いています。
無線綴じタイプ|50ページ以上の多品種を1冊に収める《総合カタログの標準》
発注時に決める仕様
製品点数が多く、50ページ、100ページ以上となるカタログでは、この無線綴じを選びます。
針金や糸で綴じず、専用の糊で背を固める製本です。背にマチができるため、厚みのある冊子でも安定して開き、背文字を入れられます。
このボリュームになると、検索性の重要度がさらに高まります。
「製品群-製品」でカテゴリー分けするのが一般的ですが、目的や用途で大項目を立てる分け方もあります。この区分の切り方が、大型カタログの使い勝手を決めるといっても過言ではありません。
INDEXをどこに配置するか、本体の小口をインデックス加工・タブ加工するか。
読み手が目的の製品にたどり着くまでの導線を、誌面の構造として設計します。
この形状を選ぶケース
● 掲載製品が数百点規模で、複数カテゴリーにまたがる
● 顧客のオフィスに常設され、必要なときに引かれる想定である
● 型番や仕様から製品を特定する使われ方をする
発注前に確認すること
ボリュームのあるカタログほど、検索性と情報構成という機能面に偏りやすくなります。
仕様が整理され、目的の情報にすぐ行き着く。カタログの必要条件は満たしています。
しかしそこに、企業や製品群のこだわり、開発コンセプト、プロダクトブランドが書かれていないことがしばしばあります。
ファクト情報だけで埋められたカタログは、同じ製品を扱う他社のカタログと変わりません。
選ぶ理由が誌面のどこにも書かれていなければ、残るのは価格の比較だけになります。
検索性だけを高めた総合カタログは、機能として満点でも「仏作って魂入れず」になります。
無線綴じタイプ|50ページ以上の総合カタログを1冊に収める
針金や糸を使わず、専用の糊で背を固める製本です。50ページを超える総合カタログに用います。背にマチができるため厚みがあっても安定して開き、小口のタブ加工と組み合わせられます。
多品種を扱う総合カタログの分類と目次設計は総合カタログ制作とはで解説しています。
規格外タイプ|手に取った瞬間の印象を変える《ブランド訴求・記念カタログ》
発注時に決める仕様
A4・B5といった規格に収まらないサイズや形状のカタログです。サイズも形状も自由に設定できます。
定型サイズが並ぶカタログ類の中では、非日常感と個性を強く発揮でき、読み手に強い印象を残し、ブランドの世界観形成に作用します。
この形状を選ぶケース
● 展示会で、他社の配布物に埋もれたくない
● 高額商材やハイエンドラインにふさわしい質感を持たせたい
● 記念のカタログとして、長く手元に置いてもらいたい
発注前に確認すること
印刷や加工のコストには影響します。そこさえクリアできれば、円形・楕円形・六角形など、業種や取扱商品によっては挑戦する価値があります。
ただし保管性と郵送性は先に確認してください。書棚に収まらない形状は、顧客先で保管されずに処分されることがあります。
封筒に収まらなければ郵送費も上がります。DMとして送る予定がある場合は、封入する封筒のサイズと郵送料金を先にご確認ください。
規格外サイズのカタログ
開いた状態
ハトメを軸に開くと、5枚の桜の花弁になる仕掛けです。“サクラサク”という縁起をそのまま形状にしており、規格外カタログを超えたブランディングカタログといえます。
用途別に適した形状の早見表《発注前の絞り込み》
| 用 途 | 向いている形状 | 理 由 |
|---|---|---|
| 製品カタログ|数十点まで | 中綴じ | 見開きで比較させやすく、開きがよい |
| 総合カタログ|数百点 | 無線綴じ | 大量の製品を1冊に収め、背文字で棚から引ける |
| 改定の多い製品群 | 中綴じポケットホルダー+ペラパンフレット | 変わる情報だけを差し替えられる |
| 提案営業・商談 | 中綴じポケットホルダー+ペラパンフレット | 顧客ごとに中身を組み替えて渡せる |
| 展示会配布 | 中綴じ、規格外 | 短時間で関心を引き、持ち帰ってもらえる |
| 顧客先への常設 | 無線綴じ、中綴じ | 検索性が高く、必要なときに引かれる |
| ブランド訴求・記念 | 規格外 | 非日常感で印象を残し、長く保管される |
形状と加工で費用がどう動くかは、カタログ作成の費用と相場で公開しています。
カタログ作成の費用と相場、制作費の内訳と見積の見方、広告制作会社・デザイン会社の選び方を、
発注側・制作側の両方を知る専門会社が実務目線で解説。どこで金額が動くのかまで解き明かします。
発注前に確定させる仕様3点《構造・運用・検索性の条件》
01. 綴じの構造制約|製品点数がページ数を決め、ページ数が綴じ方を決める
中綴じは原則として4の倍数でしかページを組めず、30ページを超えると開きが悪くなります。
無線綴じは50ページ以上でなければ、背が薄すぎて成立しません。
「40ページで無線綴じにしたい」というご要望は、背の厚みが足りず通らないことがあります。
掲載する製品点数、そこから決まるページ数、そして綴じ方。この3つは切り離せません。
02. 更新の運用|変わりやすい情報をどこに置くか
価格や製品仕様のように変わりやすい情報を本体に刷り込むと、その一箇所を直すために全ページを刷り直すことになります。
更新頻度の高い情報はペラパンフレットに分け、本体には変わらない情報を置く。
ポケットホルダータイプが製品カタログで選ばれる理由は、この運用のしやすさにあります。
03. 検索性の設計|インデックスとタブ加工は後から足せない
小口のインデックス加工、タブ加工、INDEXページの配置。これらは製本の仕様であり、刷り上がってから足すことはできません。 読み手が型番で探すのか、用途で探すのか、業種で探すのか。探し方が決まらなければ、インデックスの切り方も決まりません。 分類の設計は、綴じ方を決めるより前に手をつけてください。 仕様は好みの問題ではなく、製品点数・更新頻度・検索性という3つの条件の交点で決まります。
▼プロお勧めのワンポイントテクニック-01
無線綴じの総合カタログをつくる前に、目次だけを刷って営業担当に渡してください。誌面は見せません。目次だけを渡し、よく問い合わせを受ける製品にたどり着けるかを試します。たどり着けなければ、その分類は社内の組織図か、製品開発の都合で切られています。読み手はどちらも知りません。 この確認は、デザインに入る前なら分類を組み替えるだけで済みます。刷り上がってからでは、次の改訂まで直せません。
▼プロお勧めのワンポイントテクニック-02
ポケットホルダータイプを検討されるなら、差し込むペラパンフレットの「1年後の枚数」で設計してください。 発注時点の枚数でポケットの深さを決めると、製品が増えた翌年には入りきらなくなります。逆に余裕を持たせすぎると、紙が泳いで抜け落ちます。現在の枚数ではなく、想定される増加分を含めた枚数。これを先に決めておくだけで、本体を作り直す事態を避けられます。
誰に渡すカタログかで構成が変わります。目的別・業種別の考え方はこちらで解説しています。
よくある質問【FAQ】
Q1|何ページからカタログは無線綴じにすべきですか?
A1|50ページを超えたら無線綴じです。
30ページ以内であれば中綴じが適しています。その間の30〜50ページは、製品点数の増加見込みと、開いたときの使いやすさで判断します。
将来的に製品を追加する予定があるなら、最初から無線綴じで設計しておくと改訂が楽になります。
Q2|製品の仕様が頻繁に変わります。どのタイプが向いていますか?
A2. 中綴じポケットホルダー+ペラパンフレット タイプが向いています。
本体には企業情報と製品コンセプト、インデックスなど変わらない情報を掲載し、仕様やラインナップはペラパンフレットに分けます。
改定時は該当する紙だけを刷り直せばよく、全ページの刷り直しを避けられます。
Q3|総合カタログの検索性は、どうすれば高められますか?
A3|分類の切り方と、インデックスの物理的な設計の2つで決まります。
「製品群-製品」で分けるのが一般的ですが、読み手が用途から探すのであれば、用途で大項目を立てるほうが早く行き着きます。
そのうえで小口のインデックス加工やタブ加工を施し、開かずに該当ページへ手が届くようにします。
Q4|中綴じで30ページのカタログは作れますか?
A4|作れません。中綴じは原則として4の倍数でしかページを組めないためです。
28ページか32ページのいずれかになります。
どうしても中途半端なページ数が必要な場合は、観音折りなどの加工で調整できることがありますので、諦める前にご相談ください。
Q5|規格外サイズにすると、どのような点に注意が必要ですか?
A5|保管性と郵送性を先に確認してください。
書棚や書類立てに収まらない形状は、顧客先で保管されずに処分されることがあります。またDMとして郵送する場合は、封入する封筒のサイズと郵送料金が変わります。印刷・加工のコストとあわせて、届け方と置かれ方まで含めて設計します。
Q6|カタログの形状は、いつまでに決めればよいですか?
A6|掲載する製品と分類が決まった直後です。
形状は誌面の設計そのものに関わるため、デザインに入ってから変えることはできません。
逆に、製品点数と分類が固まっていない段階で形状だけ先に決めると、情報が入りきらない、あるいは余るという事態になります。
▼形状もページ数も決まっていない、という段階で構いません。
何点の製品を、誰に、どの場面で渡すのかをお伺いできれば、用途に見合った仕様をご提案します。
パンフレット専科《アイムアンドカンパニー株式会社》の豊富な実績と専門クリエイター陣がトータルでサポートします。
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アイムアンドカンパニー株式会社 代表取締役社長
エグゼクティブ・プロデューサー/コラム執筆エディター
1999年の創業以来、四半世紀にわたり会社案内・パンフレット・カタログの制作に従事。
「お客様の事業支援」を理念に、累計3,000件以上の制作実績で企業のビジネスを支援。
パンフレット専科には1,700点以上の制作実績を掲載しています。
- 銀賞|ウェブサイト部門〈企業・学校PR〉の部|「プロテックエンジニアリング Product Site / Corporate Site」
- 審査委員会特別賞|映像部門〈採用系映像〉の部|「挑戦の序章」(酉島製作所)